第6話 一人目が特殊すぎただけ



 魔王は、最初は渋っていたらしい。


 だから、最初は一人だけを魔王軍で働かせることにしたようだ。


 やっかいな裏切る可能性のある味方が一人いると、正面から攻撃してくる敵よりも危ないから。


 けれど、その人物が特殊過ぎたようだ。


 そいつは鋼メンタルだった。


「この世界の全員と仲良くなる」


 なんて、頭がおかしい事を目指して、本気で努力するようなヤツだった。


 しかも、体が頑丈だった。


 魔物がやるような仕事でも、平気で四六時中こなしていた。


 極めつけには、いつも友好的な精神にあふれていた。


 魔物も人間も一緒だと言いながら、特に怯えたりすることはなかった。


 そのうち、つきあってる魔王軍の連中も影響されて、「これなら他の人間もなんとかいけるんじゃ」「まあ、いっか、協力してくれるなら」と考えるようになったらしい。


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