死ぬたびに少しだけ成長するけど、肉体は愚か精神ダメージでも即死。そんな男の異世界冒険者譚

Leiren Storathijs

プロローグ

『次は今日の天気予報です。丸腰さーん!』


『はーい。今日は曇り空に不審な影が点々とあるので、曇りの内トラックが降って来るでしょう。屋内への避難をおすすめします。もし自分の家が耐久力が低いという方は直ぐに異常気象センターにご連絡ください』


「はぁ……」


 今日で初めてのため息を付く俺の名前は死際玄人しにぎわ くろと。今日の天気はトラックが空から降ってくるという豪雨より嫌いな天気だ。

 空から降ってくるトラックに轢かれると、99%の即死で異世界転生するらしいからだ。


 とある研究所の検証によると、トラックに轢かれた人間は死体も残らずに唐突に消滅したという。科学的にも現在原因が分かっておらず、研究員はこれを異世界転生現象と名付けて片付けた。


 異世界転生はどうか分からないが、即死は嫌だな。どれだけの痛みが伴うんだろう。てか即死だから痛くないのか?


 そんなことを考えていると、トラックは降ってきた。窓の外を見ればまるで豪雨のごとく大量のトラックが空から降ってきている。地面や家の屋根に衝突したトラックはたちまちどれも強烈な爆発を引き起こし、町は阿鼻叫喚になっていた。

 あぁ、俺の家には降ってきませんように。


 まぁ、そんなことは叶う訳もなく、屋根を突き破ってきたトラックは俺の身体を一瞬にして潰した。


◆◇◆◇◆◇


 目が覚めると俺は案の定異世界転生していた。さっきまで自分の家に居たのに、次目が覚めたら森林にいるとかもう確定じゃん。


 というわけで俺は一人ステータスにと口ずさむ。思ったと通りに俺のステータスが……ステータスが? 表示はされるが何も書かれていなかった。


「えええええええぇ!! そんな馬鹿な! ゔっ!?」


 はっと俺は目を覚ますと全く同じの森林に居た。あ、もしかして転生ガチャにでも当たったか? よしなら次こそは良いステータスであってくれ。


 するとステータスには一つだけ『ショック死耐性0.1%』と表示されていた。


 え? どゆこと?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る