第10話 軽めの忘れ物

過去の調査の帰り道、タイムマシンの中で鞄を整理しているとあることに気付いた。1400年代の飯が口に合うか不安でこっそり持参した胡椒の瓶が無いのだ。

しまったな…


取りに戻りたいがタイムマシンの使用回数とタイミングは法律によって厳しく定められている。

帰ったら念のため報告しておくか。

場合によっては特別に許可を得てもう一度過去に回収しに戻らないとな。

そんな事を考えながらタイムマシンから降りた調査員は違和感を覚えた。

すれ違った女性から強烈な挽きたてのブラックペッパーの香りがしたのだ。

意識してみると街の至る所から香辛料の香りが漂ってきている。

それもレストランなどではなく、服屋や雑貨屋から匂っているようだ。

すぐ近くにあったデパートに入ってみるとそこにはホワイトペッパー、チリペッパー、ガーリックに山椒など、多種多様な香辛料の香水が売られていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る