第14話 にんぎょう姫

ある日ある時ある場所で人形と姫の話


ある所に人形の匠がおりました。

匠は魂を込めて生涯最高の傑作【ピノ木男】を完成させました。そのピノ木男をお姫様が大層気に入って買うことになったのです。


そして数年後、ピノ木男は【ピノ】という愛称で可愛がられており、ついに感情を持つようになりました。

ピノはお姫様と遊んだり喋ったりしたいと願っていたある日、さらなる奇跡が起きました。何と女神さまが降臨したのです。

女神さまはピノに声を与え、自分で動けるようにしてくれました。

「姫とピノ いつまでも仲良くするのですよ」

「もし嘘をつくようなことがあれば、体の一部が伸びてしまいます いつまでも素直で良い子にしているのですよ?」

「はい!」

「良かったねピノ」

「ありがとう姫」


そうして不思議な人形ピノと姫は、楽しい時を過ごしていましたが、姫が隣国へ嫁ぐことになりました。

隣国への航海中の事……突然の嵐で船は沈没し、姫は海へ投げ出されてしまいました。

「姫! 姫は隣国へ嫁いで幸せにならないといけないんだ!こんな所で死なせない」

ピノは生まれて初めてウソをつきました。

するとピノの体の一部が伸びていきます。

「姫ここを持ってて!必ず助けてみせる」

「信じてる」


ピノは自分の体を浮き輪代わりにして、必死で泳ぎ姫を浜辺へと連れ帰ったのでした。

しかし、その代償として体はボロボロになり、動く事も喋る事も出来なくなりました。もうダメだと思われたその時、再び女神さまが現れました。

「ピノ あなたはウソをつきましたね」

「……」

「罰として……あなたを人間にして寿命を与えます」

「えっ?……女神さま……」

「あなたは様々な感情を学びました 人として生きていけるでしょう よく姫を守りましたね」

そう言うと女神さまは消え、後には人間になったピノと姫が残されたのでした。

そばには、服、食料、お金などが置かれていました。

「姫 僕はウソをついた 本当は嫁いで欲しくなんかなかった ずっと一緒にいて欲しかった」

「私もピノとずっと一緒にいたかった」


その後の二人を知るものはいませんが、きっと何処かで幸せに暮らしていることでしょう。


解説

まあ……人魚姫とピノ○オ混ぜちゃった感じです。

相変わらず漫画のネタも少し混じっていますが……

ちなみに国的には姫は沈没した際亡くなった設定なので、結婚はお流れとなり、姫は身分を隠し別の土地へ人間となったピノと駆け落ちという事ですね。


何というか圧縮しすぎて何とも言えない話ですね。

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