終章〜未来〜






 * * *



 道端である少女が泣いている。

 うずくまっている彼女に、高校の制服を身に纏った女性が手を差し伸べた。

 困惑しながら見上げた少女の瞳は涙に濡れながらもまっすぐで。

 長い黒髪が女性の頬を掠めた。


 「―――――――」


 少女の言葉に、女性は目を見張る。

 ただそれは一瞬のことで、すぐに綻びた。


 「大丈夫。あなたなら上手く出来ると思う。 」


 圧倒的な自信のある言葉に押されつつなんで?と聞いた少女に、彼女は断言した。


 「だって、あなたの願いは本物だから。頑張ろうと適切な努力をする人はね、それなりの未来が与えられるの。私もね、昔友達に教えてもらったの。・・・元々、彼女の存在はなかったらしいけれど。

 ―――それに、私にもできたんだ。」


 そうなの?と呟く少女に頷いた。


 「うん大丈夫。自分を信じて?あなたが心を持ち続けている限り、あなたには輝く未来が待っている」


 地面を照りつける太陽の下、二人は笑いあった。

 熱風が彼女たちの間をすり抜け、女性の鞄についているフォトキーホルダーがカチャリと音を鳴らす。

 その中で、夕焼けに染まる住宅街の絵が静かに佇んでいた。


 

 * * *

















 * * *



 『―――また会えるときは、あなたが幸せだと、前を向いて歩けたと自慢できるようにして。

 そうでもなくては、「麗華」はあなたを拒んでしまうかもしれないわ。

 大丈夫。自分を信じて。私のように心さえ死んでしまわなければ、努力さえ怠らなければ、あなたに輝く未来が待っている。


 あなたの才能は、絶対に、裏切らない。』





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過去との決別 木ノ葉夢華 @Yumeka_Konoha

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