公園のベンチ(EP39)


 冬希と雪姫はベンチに座って。風で揺れる木漏れ日を見やりながら、走り回る子どもたちを見やっていた。

 リハビリ日和――青空が眩しいと、冬希は目を細める。雪姫とつないだ手が暖かい。


「僕ね、大人になったらハナちゃんと結婚する!」

「テツ君、嬉しいー。絶対だからね」


 思わず冬希と雪姫は目を見合わす。微笑ましい、と思ってしまう。

 と、幼い二人の視点が冬希達に集まる。


「あそこのお兄ちゃん、お姉ちゃんみたいなカップルになろうね」

「うん」


 テツ君、ハナちゃんの予想外の言葉に、思わず二人揃って、頬が熱くなる。

 でも、と冬希が思った。

 それはちょっと――かなり嬉しいかも。


「冬君?」


 雪姫が首を傾げる。


「ないしょ」


 クスクス冬希は笑って、ごまかした。


「冬君、ナイショはずるいー」

「ナイショはナイショだってば」


 未来の空模様がどうなるか、分からないのと一緒で。未来の自分たちがどうかは、分からない。

 でもそんな未来を、雪姫と描きたい。

 雪姫と一緒なら――きっと、こんな青空だ。



________________


近況ノート 2021年8月1日 にて

殴り書きしたものを一部修正。


なんとなくサスケの「青いベンチ」を聞きながら。

作者 拝

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