第5話

「はい、コレ...」


女子ボスに差し出すと。


「フン!おっせーんだよ!」


などと言いながら、俺の手から買い物袋ごと

ふんだくった。


「おーい、なめくじ、地味子。

コレ、ブタから私へのプレゼントだかんな!」


「女の子用品、買えなくて困ってんだろ...!

一枚、500円で売ってあげるよw」


なめくじ、地味子、は

制服のサイズが合ってない髪の毛ボサボサの女の子だった。

何でも、噂によると、家が超貧乏だとかで、

新しい、彼女の身体のサイズぴったりの制服が買えないらしい。

発育はいいから。なんか、着ている制服は

パンパンだった。




「うっわ、一枚500円!?ぼったくりじゃーん」


「かわいそーだって!

せめて半額にしてあげなよ」


俺はあまりにもかわいそうになって。


「ちょ、俺が買ってきたやつなんだから、

あげてくれよ。お金なんていらねぇからさ」


「ふん、カッコつけんなブタが!!」


「こいつはねぇー、急な女の子の日で困ってんの!今、必要なの!だから、売ってあげてんの!!」


「ちょっと待ってて!!」


俺はヒナタさんに呼びかけた。

なめくじ、地味子、なんて呼ばれてるけど。


ヒナタってかわいい名前があるんだ。


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