龍馬の息子 登場兵器紹介

葉山 宗次郎

綾波型駆逐艦

 海援隊が日本とハワイ、アラスカ航路を守るため建造した一〇〇〇トンの大型駆逐艦。

 それまで駆逐艦は四〇〇トンほどだったが海象の荒い太平洋各地へ赴く海援隊では使い勝手が悪かった。

 そのために長大な航続距離と、戦闘時の卓越した速力、そして北太平洋の嵐の中も航行出来るように大型化した駆逐艦を計画し建造された。

 建造は海援隊の造船拠点である室蘭の他、八幡製鉄所の稼働により建設された大神造船所でも行われ、大神造船所が最初に建造した軍艦となった。

 兵装は一二サンチ単装砲四門のみの砲火だが射撃式装置を付けているため、遠距離砲戦に対応しており、アウトレンジで攻撃できる。さらに大型化したため艦の動揺も抑えられており駆逐艦としては命中率が高く、戦闘力はこれまでの駆逐艦より上である。

 特に魚雷は従来の四五サンチ魚雷ながら三連装二基に増強されており一撃で戦艦を葬る事が可能。

 速力を出すために軽量高出力のパーソンズ式タービンと減速ギアを搭載し三五ノットの高速を引き出せる上、減速ギアにより適切な回転数へ落とし込むことにより航続距離の延長も実現した。

 一番の長所は、無補給で海援隊の根拠地であるハワイまで日本本土から行けることであり、中間にある米国領ミッドウェー島に寄らずに済むことである。

 現在はアホウドリ猟で借り受けているとはいえ、米国との関係が微妙になりつつある状況では、米国領に寄らずに行けることは使い勝手非常に良い艦である事を証明している 

 しかし建造費が高額になったために生産は少数に留まり、海軍は借り受けた艦による性能試験を見て性能が優秀であることを認めたものの当初購入を断っていた。

 だが、日露開戦により大量建造が命じられ、以後、特型が出来るまで日本の水雷戦隊主力、特に性能面で優越する一等駆逐艦として主力を構成する。


基準排水量 一〇〇〇トン

常備排水量 一二〇〇トン

全長    九八メートル

最大幅   八.五メートル

深さ    五.二六メートル

喫水    二.七四メートル

ボイラー  宮原式重油専焼缶六基

主機    パーソンズ式減速ギア蒸気タービン二軸

推進器   二軸

出力    三万馬力

速力    三五ノット

航続距離  五〇〇〇海里/一二ノット

燃料    重油三〇〇トン

乗員    一四〇名

兵装    一二サンチ単装砲四門

      四五サンチ三連装魚雷発射管二基


同型艦

 一番艦 綾波 室蘭造船所

 二番艦 式波 大神造船所

 三番艦 長波 室蘭造船所

 四番艦 磯波 大神造船所

 五番艦 高波 大神造船所

 六番艦 浦波 大神造船所

 七番艦 涼波 室蘭造船所

 八番艦 大波 大神造船所


 以上、開戦時は全て海援隊所属。

 九番艦以降は大量生産のため海援隊の造船所の他、各地の海軍工廠、三菱長崎造船所、川崎造船所、大阪鉄工所、浦賀船渠で建造が行われた。


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