ファイナルはスタート

今まで長年関わってきた、とあるイベントが、今日ファイナルを迎えた。

毎月あったイベントが、コロナ禍で休止状態になり、約2年が経った。


再開することも一案ではあったけれど、

変わりゆくこの時代、一旦、区切りをつけてファイナルを迎える決定がなされた。


ビジネスのスタイルが一気に変わったこの2年、多くの会社、事業者、人々が焦り、先行きに不安を抱えたのは間違いない。

同時に新しいスタイル、やり方が一気に始まった。

しかも、すごいスピードで、下克上を伴う大変化があった。


変わらないものも、もちろんある。

それは、人が立っているために身体の軸が変わらないのと同じくらい不変のものだ。


一つは、人が生きていく中で、それぞれが、今よりも良くなりたい、幸せになりたいという素直な想いかもしれない。


とにかく生きるのに必死、精一杯という人ももちろんいる。

でも必死に生きるということは、やはり今よりも良い状態になりたい、幸せになりたいという心があるからこそだと私は思う。

例え、自覚がなかったとしても。


会社も、事業も、お店の存在理由も同じところにある。


今よりも良くなりたい。


売上を伸ばしたい。

赤字を黒字に変えたい。

しっかり従業員にも給料やボーナスを渡したい。

家族をもっと楽に養えるだけの売上が欲しい。

店舗数を増やしたい。

海外進出もして支店を世界中に広げたい。


要するに、会社も人も存続する理由は、より良くなりたいのだ。


たしかに、安定させるというのが、夢や目標である人もいる。

でも、安定にも努力がいるわけで、放っておいて安定はない。


例えば、どんなピアノの達人も、弾かずに数ヶ月経てば、確実にスキルダウンする。

上達する以前に安定させるにも、何もしないでいることは出来ない。

ということは、安定するというのも、"より良くなりたい"というものの中に包括されるのではないだろうか。


でも、時代や状況によって、ストップさせられたり、終わりになることがある。

やり方を変えなければいけない時もある。

目標や夢を断念させられる時もある。


何かのファイナルは、人生で、何度も訪れる。

でもこの世の終わりではない。

この世の終わりに感じたとしても、それは新しい何かをスタートするために、一つの終わりを迎えたにすぎない。


人とのお別れがあったら、次に誰かと出会うために、終わったに違いない。


商売が終了したなら、新しいことをスタートするためか、

今まで休んでなかったあなたへ、神様が小休止という新しい時間をくれたのかもしれない。


古いやり方が通用しなくなったなら、それを終了して、新しいやり方、情報を見つけるチャンスをもらえたのかもしれない。


夢を断念させられた人は、もっと違う道があることに気づくために、それを終了するしかなかったのかもしれない。


"ファイナルはスタート"


ならば、ワクワクしようじゃないか。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コラム「心の声」 風乃音羽 @kazenootoha

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ