第5話「電探感有り」

ノルウェー沖

HMS『エジンコート』

十一月二十六日 深夜21:12


 エジンコートに実験的に取り付けられたMk.Iレーダーは、箱型艦橋の上にある簡素なメインマストに括り付けられるようにして設置されている。

 形状はドイツ海軍のゼータクトに近く、板のように配管が格子上に組み合わさったもので、横長の長方形になっていた。

 突貫工事の名残か、レーダー関係は碌な塗装もされておらず、まるで戦艦に張り付いた出来物かなにかのようにも見える。


 このレーダーの欠点は、いくつもあった。

 主砲発射時の衝撃で故障してしまう事――とはいえ戦艦『エジンコート』の主砲14門斉射の衝撃の前にはどのような電子機器も繊細なガラスの工芸品と大差ないのだが――や、作動し続けると送信管が過熱してしまうために時々レーダーを停止し冷却する必要があること、そして突貫工事で設置したために原因不明の故障誤動作が多発すること。

 儀装の中でも一番要らないもの扱いされているそんなMk.1レーダーから、一本の太い管が艦内に向って伸びている。


 これは艦内に即席で設けられたレーダー室に繋がっており、そこにはレーダー担当技術士官とレーダー手がいた。

 技術士官は開発部門からの出向士官で、レーダー手は専門知識を詰め込んだ新人ばかりだ。

 初夜当直のレーダー手、ハリ一等水兵は、レーダー担当技術士官のモーガン中尉にびくびくしながらモニタを見ていた。

 数日前にマクミラン少佐から「このポンコツをもう少しまともにしてくれ」と言われてから、モーガン中尉はイライラしっぱなしなのだ。



「スカパフローでレーダーの実験データを貰い、明確な出力限界を知れたのは大きなことだ。しかし、根本的な解決をするには装置そのものの再開発が必要なのだ。王室海軍では、既にヤギ・タイプアンテナを使ったモデルがあるそうだよ」


「ヤギ・アンテナというと……ジャパンのドクター・ヤギが開発したあれのことですか?」


「そうだ。あれは指向性がある。きっとレーダーの性能もこのMk.Iよりもはるかに優れたものになるはずなんだ。未来の海戦では、もはや目視照準など行われず、地平線の彼方にいる敵さえも攻撃できる照準補助レーダーが主力となっているだろう」



 とはいえ、モーガン中尉の機嫌の取り方をハリ一等水兵は心得ていたので、問題らしい問題は特に起こっていない。

 ジュール・ヴェルヌやH・G・ウェルズなどの特異な科学小説に傾倒する技術士官、モーガン中尉は、こうしてなんの気兼ねもなくただただ雑談をしながらモニターを一緒に眺めているだけで、自然と機嫌が直っていく不思議な男だ。

 ハリ一等水兵も他のレーダー手も、それを知っている。ただハリがモーガン中尉に気に入られているのは、ハリもそういった科学小説が大好きだからだ。



「レーダーを利用して誘導できる砲弾、とかもありそうですね」


「そうだな。レーダー自体がもっとコンパクトに改良され、ありとあらゆるものにレーダーが付いているかもしれん。――ハリ、これはいったいなんだ?」


「はい?」



 したり顔で持論を展開しかけたモーガン中尉が、モニターを見て凍りつく。

 釣られてハリもモニターを見、その計測結果を何度も見直してから、モーガン中尉に問うた。



「中尉、これは誤探知でしょうか? レーダー感アリ、でしょうか?」



 呆けた表情のハリに、モーガン中尉は言った。

 その声にはイライラもギーク染みた嬉しさも篭っておらず、恐怖で震えている。



「後者のようだ、ハリ。艦橋へ連絡。大至急だ」



 驚いた猫のような素早さでハリが受話器を取った。

 モーガン中尉はそれを引ったくり、艦橋へ繋げ、と声が震えるのを必死で抑えながら言う。




―――




 ヴィクスは艦橋でレーダー室から『レーダー感アリ』の報告を聞き、方位と距離、そして誤差範囲の詳細を聞いた後、暫し悩んだ。

 連絡を受けたからには命令を下さなければならない。

 事実、艦橋にいる将兵すべてがヴィクスの発する次の言葉を今か今かと待ち、身体を強張らせているのがヴィクスには雰囲気で分かっている。


 だがしかし、簡単な問題ではないのも事実だ。

 これが誤報であるなら、ここで【総員配置につけ】を命令すべきではない。

 総員配置につけ、という命令は必要ではあるが、安易に多用すると艦内の士気が大きく下がる。


 寝ていた者を叩き起こすベルが鳴り、通路は持ち場へと急ぐ水兵たちで埋まり、乗員すべてが戦闘配置に着く。

 誤報であった時、それがすべて無駄だったと知り、乗員すべてが落胆する。

 時は過ぎてゆく。ヴィクスが命令を下そうが下さなかろうが、時間は過ぎ戦艦『エジンコート』は北海をただただ邁進する。



「―――総員配置につけ。戦闘準備」


「アイアイ・マム。総員戦闘配置に着け」



 ヴィクスが決断し、命令を発すると同時に、マクミラン中佐は手を掛けていたレバーを降ろした。

 その瞬間、物々しいベルの音が艦内に響き、食事をとっていた者は食事を止め、眠っていた者は跳ね起き、用をたしていた者は座ったまま飛び跳ねた。

 すべての乗員が戦艦を戦艦足らしめるために各部署に突撃し、恐怖と好奇心を胸に抱いて艦内の各所を駆け抜けていく。


 ラッタルを下る音、ラッタルを登る音が、巨大な艦のあらゆる部署で小気味よく響いた。

 他にも、この号令ただ一つで起きた変化はあった。

 挙げれば霧がないので省略はするが、少なくとも各所で浸水防止用具やつっかえ棒にする円材、消火ホース、滑り止めなどに使う砂箱、担架、いつ負傷兵が来ても即座に対応できる医務室が準備された。これらは、ほんの三分足らずで終わった。


 他にも人力以上の力を持つ電動機械や水圧機械の予備部品、ありとあらゆる故障に備えて工具も準備された。

 この海上戦闘でどんな事が起きても対処できるだけの、過剰とも言える準備がなされた。

 その慌ただしい数分が過ぎ、そろそろかとヴィクスが呟き、マクミラン中佐へ言った。



「取舵一杯――。針路変更後、速力を十八ノットに上げろ」


「アイアイ・マム。取舵一杯」



 ぐらり、と巨大な船体が傾き、艦首が波を切り分けながら左へと進路を変える。

 操舵員は三等兵曹のエリンだ。二十一歳の既婚者で腕はあまりよくない。そのためヴィクスは羅針盤から目を離さなかった。

 命令通りの針路に達したのをヴィクスが確認すると、彼女はマクミラン少佐を見て静かに頷いた。



「速力十八ノットに変更せよ」



 マクミラン中佐が命令を下すと、速度変更器当番が復唱し、デッキが震え始め、ヴィクスの足にもそれが微かに伝わってきた。



「機関室、十八ノット、了解」



 速度変更器当番が報告する。

 ヴィクスはこの当番兵の名前を思いだすことが出来なかったが、ともかく速力は上がったのだ。

 海軍式重油専焼缶6基の出力が上がり、ジョン・ブラウン・アンド・カンパニー製オールギヤードタービン4基を経由して4つあるスクリューが海水を掻き回す。


 煙突から轟々と黒煙が立ち上り、まるで戦艦『エジンコート』そのものが、この海上戦闘を待ちわびていたのだと吠えているかのように、機関の騒々しい音が嵐の北海に木霊した。

 針路変更と速力変更による各種報告を聞きながら、ヴィクスは言った。



戦闘旗バトルエンサインを挙げろ」



―――


 艦橋の窓に打ち付ける雨を見遣り、マクミラン少佐はふと、自分が艦長を勤めた旧式駆逐艦の艦橋を思い出していた。

 駆逐艦の艦橋と言うのは狭く煩く、しかし上官と部下とは家族のような一体感のある場所である。

 船体が小さく、そこにざっと百名が詰め込まれるのだから当然のことだ。


 激しく揺れる小型艦艇の宿命は忘れたい記憶の一つではあるが、あの家族のような一体感は良かったと、マクミランは思う。

 あれはあれで人と人との距離感が近すぎるが故に危ういのだが、それでも良かった。

 けれども、戦艦『エジンコート』も良い。駆逐艦という水雷畑からやってきたマクミランではあるが、この『軍隊組織』然とした形態は、まるで自分が歯車になったかのようで、心地良いのだ。



「レーダー室の観測結果によれば、感はここにあり、現状針路速力で行けば、敵艦右斜め後方から左斜め上へ突っ切る形となります」



 そう言いながら、スヴェンソン大尉が海図に定規と鉛筆を使って線を引く。

 海戦において推奨される『T字戦法』とはいかないが、この形であっても戦艦『エジンコート』は主砲十四門を一斉射可能だろうと、マクミラン少佐は思った。

 誰もがそれを理解している――とは限らない。そのためマクミラン少佐は挙手し、ヴィクスが「進言を許可する」と言った後に、述べた。



「この間、我々は全力を挙げて敵艦を集中砲撃し、敵の行き足を1ノットでも妨げることが最前と具申いたします、艦長」


「その通りだ。しかしマクミラン中佐、この嵐の中での艦対艦戦闘は極めて困難だ。そして敵艦はポケット戦艦だと推測されている。そこで私は、榴弾の使用を考えている」


「命中した場合、敵艦が炎上する可能性、そして浸水などを引き起こす可能性を踏まえて、でありますか?」


「そうだ。私は、我々単艦で敵を撃沈できるとは、思っていない。だがその可能性は捨てきれない。そのため、榴弾での全力射撃を行う。異論はあるかね?」



 スヴェンソン大尉はマクミランを見る。

 彼は船乗りではあるが、航海科一筋で砲撃戦や水雷戦はどのように避けるか、ということは考えるが、攻撃に関してはてんで分からないのだ。

 顎に手をあて、マクミランは思考する。


 戦艦の徹甲弾は人間ほどに大きく、その内部には少量ではあるが炸薬が詰まっている。

 本来、対艦戦闘に用いるのは徹甲弾や半徹甲弾であり、榴弾は非装甲船舶や対地攻撃に使用するもので、今回の決定は幾分か博打のような面があるのは確かだ。

 とはいえ、敵艦と想定されているのは装甲の薄いポケット戦艦であり、大口径榴弾の直撃を受ければ儀装や人体への被害や、あわよくば炎上といった可能性もないわけではない。

 軍艦は総じて炎上に対しては細心の注意を払うようにはしているが、軍艦すべてを不燃物で構築することはまず不可能なのである。



「――はい、艦長。マクミラン少佐、異論ありません」


「同じく、スヴェンソン大尉も異論ありません」


「よろしい。では、マクミラン少佐、全砲門榴弾装填と砲術科へ命令を頼む」


「アイアイ・マム」



 敬礼し、ヴィクスが返礼する。

 スヴェンソンが海図台へと向かい、マクミランが伝声管の元へと向かうと、ヴィクスはマクミランに向けて言った。

 


「それと、今回の砲撃はレーダー観測結果と方位盤射撃装置の二つを組み合わせて行うことも、伝えておいてくれ」



 マクミランは一瞬、その言葉が理解できなかったが、しばらくしてあのオンボロを射撃計算に用いるということを知り、絶句した。

 あれは本当に信頼におけるものなのか、マクミランは未だに疑っていたのだから、それは当然の反応だった。




―――




 戦艦『エジンコート』は船体中心軸線上に七基の連装砲塔を備え、それらは船体最前から順に日曜日、月曜日、火曜日と、それぞれ勝手に呼ばれている。

  第一次世界大戦時からの伝統は臣民海軍に『エジンコート』が移管されてからも変わらず、砲術科の船員たちだけではなく、『エジンコート』に乗り込んでいるすべての人員が、砲塔を一週間に見立ててそう呼んでいた。

 無意味に多い砲塔数を蔑む者も、世界でただ一艦のみの砲塔七基を誇る者も、皆なぜかそう呼んでいた。


 通常、英国海軍では艦首方向からABC順に、艦尾方向からZYX順に呼称されている。

 しかし七基もの連装砲塔を持つ『エジンコート』では混乱が生じる恐れがあるとされ、前方からNo.1、No.2と番号が振られたのだ。

 それが誰かがちょうど七つあるのだからということで、一週間のそれぞれ曜日に見立てて呼び始め、それが今につながって用いられるようになっていたのだ。


 今、戦闘態勢にある『エジンコート』の全砲塔にはそれぞれ砲術科の要員たちがすべての機器の試運転を終え、今か今かと命令を待っている。

 砲塔直下の薬嚢庫にいる者は、すでに装薬についていた蓋を外して数個床に置いているし、弾薬庫に居る者は、砲弾を数発床に並べていち早く揚弾機に乗せられるように工夫しており、どちらも素早く砲塔へ送り出してやりたい思いでいっぱいで、砲塔内にいる要員にしても早くこの大砲を撃ちたくてうずうずとしていた。

 超弩級戦艦『アイアン・デューク』級のうち廃艦となった『ベンボー』及び『エンペラー・オブ・インディア』から移植された13.5インチ砲は新設計の小さく狭い砲塔に納められ、『Mark VI/N|(H) 34.3cm 45口径連装砲』となり、今や、近代化改装を施され臣民海軍の誇る戦艦『エジンコート』のものとなり、ユトランド沖海戦のようにその砲口をドイツ海軍艦艇へ向けようとしている。


 しばらくすると、艦橋から各砲塔へ「左舷砲撃船用意、砲弾装填」の命令があり、砲塔付将校たちが怒鳴り声をあげながら水兵達を動かし始める。

 砲塔の最下層に当たる弾薬庫で水兵が、高性能炸薬のたっぷり詰まった榴弾を揚弾機に乗せる。

 揚弾機が騒々しい雑音を立てながらせりあがり、次に薬嚢庫に到着すると、待ってましたと言わんばかりに腕の太い水兵が装薬を命令された通りに揚弾機へ乗せた。砲弾と装薬が揃い、揚弾機は満足したように最上部の主砲へ持ち上がる。揚弾機に載せられた砲弾と装薬が主砲へ装填され、大きな尾栓を閉すと、角砲塔で水兵が砲塔後部にある指揮所に報告した。


―――両砲装填完了!



 そして、大抵無視される重要な部署というものがあるように、戦艦の戦闘において無視できない部署が、箱型艦橋の上にあった。

 それは円筒状の物体であり、左右からカタツムリの目のように、一本づつ丸い棒が伸びている。

 円筒の中央と棒の橋には望遠眼鏡のようなガラス窓があり、砲塔と同じように三百六十度の旋回が可能であった。


 これと同じようなものは、『エジンコート』の後部艦橋の上にもある。

 これを測距儀という。狙撃手がライフルと望遠眼鏡を組み合わせ運用するのと同じように、戦艦も主砲と測距儀を組み合わせて使い、目標を補足するのだ。

 とはいえ、本当に大事なのは近代化改装以前から『エジンコート』に備わっている。


 これは『エジンコート』が実験艦として扱われていた際に取り付けられたものであり、戦艦の砲撃にとても重要な『火器管制装置』であった。その名称を『ヴィッカース式方位盤射撃指揮装置』と『ドライヤー射撃計算機』と言う。

 これら二つの機器は、測距儀の上にちょこんと乗っかっている円筒形の方位盤射撃室と――主砲射撃指揮所とも――呼ばれる場所にあり、ここにいる方位盤射手が引き金を引けば、発砲可能な主砲が連動して発砲する形となっていた。

 方位盤室には戦艦『エジンコート』の砲術長であるマーガレット・ボラン少佐が務めており、彼女が言わば、この海上戦闘における攻撃担当責任者である。


 

「少佐、ヴィッカース式方位盤射撃装置、及びドライヤー射撃計算機の試運転終了致しました。どちらも問題ありません」


「そうか。良かった。では、やろう」



 主砲射撃指揮所勤務の水兵がボラン少佐に試運転終了を告げると、彼女は言葉少なに答え、不敵に笑みを浮かべた。

 彼女は、スコットランドのハイランド地方で生まれ育ち、過酷な環境でボロボロになった黒髪とそばかすの目立つ肌。吊り上がった褐色の瞳。長身痩躯。寡黙でいつも不機嫌そうな顰め面をしている。

 艦長であるヴィクスが労いや褒め言葉を口にしても、への字に曲がった口は滅多に緩まない。


 そのボラン少佐が笑みを浮かべていることに、水兵は驚いた。

 ハイランダーとしての戦闘本能が目覚めたのかと思ったが、水兵が知る彼女は訓練中でも冷静で、仕事を効率的に処理することが自分の生きがいである、というプロフェッショナルの一人として見ていたのである。

 水兵は思わず、彼女に聞いた。



「なにをやるのでありますか?」


「決まっている。ドイツだ。あいつらをやる。我々は戦艦に乗り、敵がそこにいる。他になにをやると言うのだ? なんのための戦艦だというのだ? 今、この時のための戦艦と我々だろう?」



 ヴィッカース式方位盤射撃装置に組み込まれている椅子の小さな背もたれに右手を添えながら、ボラン少佐は答える。



「分かったな。艦橋へ連絡だ。準備が出来た。我らに幸あらんことを」



 上官の変貌に唖然としながらも、水兵は艦橋へ報告をした。



―――主砲射撃指揮所、準備完了!




―――




 そうして戦艦『エジンコート』は準備を整え、戦に臨む巨人のような足取りで白波を斬りながら海原を駆ける。

 ダズル迷彩に彩られた実験戦艦の砲門はレーダーの感知した敵艦方向に向けられており、七基十四門の主砲がすべて左舷へ向けられていた。

 その様は壮観という言葉でしか表現できず、これから始まるであろう海戦の混乱などまったく予期させぬ、勇ましい姿であった。


 まるで戦艦『エジンコート』の内々から刺々しい闘争心が溢れ出ているかのようだった。

 足が遅く、乗員は女だけで練度も不足し、艦隊のお荷物として厄介者扱いされている戦艦には見えない、威風堂々とした艦容であった。

 数十分後、戦艦『エジンコート』はそのステレオ式測距儀に二つの艦を見た。


 だがそれはドイッチュラント級ポケット戦艦などではなかった。

 敵艦はぼんやりと白い化粧をしており、砲塔にかけては黄色がかった白で塗りたくられていた。

 艦形は優美で美しく、軍艦というよりは芸術品のようなライン引いていた。


 全長はゆうに二百メートルを超え、ドイッチュラント級ポケット戦艦より二回りは大きい。

 三連装の主砲を前甲板に背負い式で二基、後甲板に一基備えていた。

 細長い艦橋の最上部には巨大なステレオ式測距儀が備わっており、それはカールツァイス製の超精密作品であるということは容易に判断できた。


 ポケットなどという生易しいものではない。

 正真正銘の戦艦が二隻、戦艦『エジンコート』の前に姿を現したのである。

 その名は戦艦『シャルンホルスト』と『グナイゼナウ』と言う。

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