俺はネコちゃん

白川津 中々

 ゴロニャーゴ。

 俺はネコちゃん。人間にして三十一歳。それなりにいい歳。


 人間だったらそろそろ将来決まる頃であり悠長にしている暇などないだろうが、俺はネコちゃんだから関係ない。食って寝て遊ぶ。それがモットー。好きなものは人間の雌。女子高生が好ましい、あいつらマジいい匂いすんだよ……スンスン……あ! 女子高生の臭いがする! これは行かねば!



「にゃーお! 俺はネコちゃんだぞー!」



 喜べ女子高生!  可愛いネコちゃんである俺が来てやったぞ!



「きゃー!」



 黄色い声! 走る女子高生のたわわな胸と太もも! いやぁ眼福眼福! いいですねぇこれ!


 おっといかん。何やらスマートフォンを構えている。さては写真を撮る気だな? 冗談じゃないよ。俺は可愛さを安売りするタイプのネコちゃんじゃないんだ。退散退散っと……










【「ネコちゃんだぞー!」変質者、捕まる】


「十月十一日。三重県四日市市で、道で全裸となっていた男が女子高生を襲おうとしたなどして、逮捕されました。被害に遭った女子高によりますと男は"ネコちゃんだぞー!”と叫び、女子高生目がけて走ってきたとの事です」




 ~インタビュー映像~



「なんかぁ……突然”ネコちゃんだぞー”って走ってきてぇ……スマフォで警察に電話しようとしたら逃げていきました」



~インタビュー映像終了~




「警察の調べに対し男は"ネコちゃんだったら、みんなチヤホヤしてくれると思った。現実が辛く堪えられなかった"などと供述しており、犯行を認めています。次のニュースです。札幌の雪まつりに、ペンギン達が現れました……」













「俺、ニンゲン。今の塀の中」

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