第3話『映ってないです』

あれ?


エマさん前にいるよね?


でも鏡には映ってないよね?


俺は映ってるのに?なんで?


「アンドウく~ん。お疲れ様ぁ~!来てくれてありがとね~♪」


ミアンさんがブンブン手を振っている


「お疲れ様です!!ミアンさんに単刀直入に聞きたいことがあるんですが!!いいですか?!」


「いいとも!何なりと聞いてごらん!」


ビックリするくらいとびきりの笑顔で答えが返ってきた


恐る恐る聞いてみる……


「エマさん鏡に映ってないんですけど…」


「そりゃあエマ君は鏡には映らないよ♪」


これまたとびきりの笑顔で答えが返ってきた

当たり前じゃんとでも言うかのようだ


「そんな当たり前だよみたいに言わないで下さいよ……」


え?……


「やっぱり映ってないですよね!」


もう何が何だかだ…


「だって彼女は吸血鬼(ヴァンパイア)だもの鏡には映ったらダメじゃない♪」


吸血鬼?ヴァンパイア?


おいおい……

なんの冗談だよ……

そんなもの映画の中にしかいないだろう……


「血でも吸われちゃったかな?」


ハッとして首元を鏡で見てみる

何もなってない……


「はっはっはっ♪エマ君はいきなり人の血を吸ったりはしないよ(笑)安心して♪」


「ふふ」


エマさんもミアンさんの後ろで微笑んでいる


「エマさんって本当に吸血鬼なんですか?」


「はい。」


これは夢か?俺はどうかしちゃったのか?


「ジョージィーーー♪来たのー?♪」


ロメロちゃんの可愛い声が遠くから聞こえる


「来ましたよー!」


ドタドタドタドタ!


目をキラキラ輝かせたロメロちゃんの登場だ


「ジョージ♪今日から楽しみだね♪」


とても嬉しそうなロメロちゃんを見てたらなんかもうなんでもよくなってきたな


「ロメロちゃん。今日からよろしくね!」


パァーっと笑顔になるロメロちゃん


正直言うと可愛い妹ができたみたいで俺も嬉しい


「じゃあフルチ君!挨拶も済んだところで君の部屋に行こうか♪」


2階へ向かう階段を指さす


「あっ!はい!」


トントントントン……

階段を登りながらミアンさんが説明をしてくれた


「1階はお客様が居ない時はリビング代わりになるように作ってあるから自由に使って♪そして居住スペースは2階ね♪君の部屋はここ!」


「217号室ですね。……って!17部屋もなくないですか?」


「まぁまぁ気にしない♪部屋番号は僕が適当に付けてるだけだから気にしなくていいよ♪意味もないしね♪ちなみに2階にある部屋は全部で6部屋!ロメロちゃんは右隣の部屋で、向かいがエマ君の部屋になってるよ♪」


「ジョージ♪お隣さんだね♪」


ロメロちゃん可愛い!!


「アンドウ君♪美女に囲まれてるからって覗いたりしたらダメだよ♪」


「覗かないですよ!」


エマさんの部屋はちょっと気になるけど…


「あとはお風呂場に御手洗い♪2階はこんな感じかな?」


「ありがとうございます!」


「よし♪じゃあ1階に戻ろうか♪」


2階の説明をしてもらい1階のお店兼リビングに戻る


「今日はありがとうございました。何から何まで。僕メイクの仕事はやったことないですけど一生懸命頑張りますね!」


「ん?メイクの仕事ってなんの話かな?フルチ君♪」


え?

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