吉原作品のあらすじ プレビュー

 時は大正、新吉原。

 大正から昔、144年前、とある事件が起きた。

 百鬼夜行ならぬ百妖夜行ひゃくようやこうと呼ばれる妖怪やもののけ達が144年周期に人間界に訪れる現象の一つで盆の辺りに発生する。まだ、百妖夜行が起こった当時、人間達は妖怪に対して敵意を持ち、そして百妖夜行の時に彼らは妖怪に戦いを挑むが敗北を決する。 

 時代は流れ、その間に人と妖怪の血を引く半人半妖の人々が産まれ始める。

 そしてここに一人の遊女屋の楼主がいた。

 半人半妖の楼主は白狐びゃっこと人間との混血で人並み外れた美しさを持っていた。髪は灰銀色。瞳は褐色と茶色が混ざり合ったような、耳は人の耳と同じ。端正な顔立ちと妖しくも気品溢れる彼の名前は、稲葉諒いなばりょう。42歳。

 ここは遊女屋の楼閣【桜華楼おうかろう】。

 ようやく花魁を抱える事が出来たまだまだ若輩の店。

 そうして、とある女衒に連れられて、桜華楼に売りに出された半人半妖の女の子供もいた。禿としてこれから【桜華楼】にて遊女にされるべく教育される。名を千里という。

 折しもその日は【桜華楼】の花魁、朱華はねずの花魁道中の日だった。

 季節は桜舞う3月。

 諒と千里、そして無数の男女と妖怪もののけが乱れ舞う、これは狂乱の宴、そして儚き夢の物語。

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