第16話 彼女との昼食 (4日目)

僕達は出かけるための準備をダラダラとして、起きてから2時間近くかかってやっと家を出た。もう正午近くになってしまったので、お腹がすいてしまった。僕達は昼食を先に済ませることにした。

「なにたべるー?」と僕が聞くと

「寒いからラーメン」と彼女が答えた。

彼女はラーメンを食べたいらしい。僕達は歩いて行ける距離にある、そこそこ人気のラーメン屋に向かった。

お店に着くと少しだけ外で待っている人たちがいた。寒い外にならぶのは嫌だったが、今から他のところに行ってもけっきょく同じくらい時間がかかりそうだったので、僕達は待つことにした。

「寒い」と言いながら彼女がくっついてきた。あまりこういう所でベタベタするのもどうかと思ったが、彼女が甘えるのも貴重な機会なのでそのままでいた。

10数分間たった時、僕達はお店の中に入って席に着くことが出来た。このお店は味噌ラーメンで有名である。僕は味噌ラーメンを食べようと初めから決めていた。

「わたし塩ラーメン」

「ここ味噌ラーメンで有名なお店だよ?」

「いいじゃん、塩食べたいんだもん」

彼女は結局塩ラーメンを食べた。

「味噌ラーメン美味しそうだね」と自分のラーメンを食べながら彼女は言ってきたが、そう言うなら最初から自分も味噌ラーメンにすれば良かったのにと思った。当然言わなかったけど。

僕達はラーメンを食べ終え、お会計をしてお店を出た。しばらく歩いてバス停に着いて、そこでバスを待った。彼女は外で立ち止まっている時、すぐにくっついてくるようになった。僕との距離が縮まったというよりは、単純に寒いからだろうと思う。

しばらくしてバスが来て、僕達は乗り込んで席に座った。やはりその時には、それほどくっついてこなかったので、単純に外が寒いからくっついてくるのだろう。

街の街路樹にはイルミネーションの飾り付けがなされている。もうそんな季節になったのかと思った。今年のクリスマスは1人じゃなくて済みそうだと思った。クリスマスに彼女にプレゼントなどをしなければならないだろうか。そういったことには全く慣れていないのでかなり不安である。女性には何をプレゼントすればいいんだろうか。指輪は重すぎるし、ネックレスなどの趣味も分からないし、化粧品などはもっと分からない。カバンなど高価なものも買えないし、その他は思いつかなかった。世の中の男性はイベント事がある度にこれ程悩まなければならないのだろうか。本当に女性を喜ばせるというのは大変なことだと思った。

15分ほど揺られて僕達はかなり大きな電気屋の駐車場の前で降りた。彼女は再び僕にくっついて歩き出した。

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