第4夜 パティシエ

「ダメね…これじゃ店にだせないわ」

「すいません、先生…僕のスィーツ、どこがダメなんでしょうか?」

「そうね、上手く言えないんだけど…見た目とのギャップかしらね」

「ギャップ?」

「そう…ビジュアルと味がミスマッチというか、舌が驚いてしまうの…悪い方へね」

「そんな…美味しくないってことですか?」

「ううん、違うのよ…頭で想像したものとは違う味が勝っているというか…」

「センスがないんでしょうか…僕は…」

「そんなことないわ…舌で覚えるしかないのよ…」

「先生…んっ…僕…先生のこと…」

「何も言わないで、今は舌で、私を感じて…んっ…ううんっ…はぁっ」

「先生…先生」

「もっと、私の全身を舌で覚えなさい」


「どうだった?」

「はい…先生のおかげで、素材とデコレーションのバランスが大事なんだって…解った気がします」

「そう…じゃあ、明日は私をイメージしたスィーツを作ってみて」

「はい」

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