主の尊厳

君は己がつくるものに自信をもてるかい?それは技巧の問題ではない。正義ではない。人々に観せるかどうかは関係がない。完成度の問題ではない。そして大衆的な正しさや学術の問題ではない。つまるところ君自身の問題であり君だけの問題だ。


己のつくる世界のすべてを愛しなさい。自信をもちなさい。


君は世界の主になるのだから、君主は堂々としていなければならない。不信の末に生きることしか許されない民は、どれだけ不毛な人生を送ることになるだろうか。例えその心に答えのない葛藤があったとしても、民に対して誠実に自信を持ちなさい。それは民自身の尊厳に繋がるから。


作品に自信をもつという点においてクリアしていなければ評価は意味がない。どれだけ僕が君を称えてやろうとも、素晴らしい勲章が君を飾ろうが、君のなかに自信がなければ、世界への愛情が完璧でなければ、評価は意味がない。知識も技能もセンスとやらも正しくはあれない。尊厳は土台だということを忘れぬようにしなさい。そのうえで評価をもらう場では「謙虚」であればよい。

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白紙のアトリエ 伊月 杏 @izuki916

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