叛逆心

今日もまた使い古した屍がひとつ

いつもよりも面白い出来だった

それでもショータイムが終われば

生まれるのは やはり 空虚だ


果たして僕は満足することができるか

果たして本当の完成品などあるのか

同じように生み出し同じように殺す

インクによって与えた使命と感情で

インクによって与えた台詞を吐かせ

その繰り返しではないのだろうか


哀れに横たわる 創作の屍を見下ろした

まるでごみくずのような それが 目が

僕の目を射るようにみあげていたのだ

このまま死んでたまるかというように

僕をなにも許しはしないというように

まるでなにか生き物であるかのように

まるでなにか思考を持っているように


喉が鳴る 血が管を逆撫でる 焦燥感


その瞬間 僕はこの両手を打ち鳴らした

世界を終わらせたのは 僕か それとも

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