この世界に鍛冶屋はいらない たかしゃん様

【タイトル】この世界に鍛冶屋はいらない

【作者】たかしゃん

【ジャンル】異世界ファンタジー

【読んだ話数】「鍛冶屋の活路 【序編】お姫様と平民鍛冶屋 第4話 お姫様と鍛冶屋の苦悩」まで

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888522989


 ジャンルとしては異世界転生ですが、テーマとしては身分差恋愛なのかなと一万字まで読んでいて思いました。キャッチコピーからしても「皇女と平民が別れたくない話」となっていますし、二人の恋を見守るための物語であることは間違いないようです。


 身分差……この時点でツボにはまる方いらっしゃるんじゃないでしょうか。いいですよね。身分差。恋には障害がつきものといいますが、ものすごく分かりやすく燃える障害だと思います。主人公とヒロインがその溝をどう埋めるのかが気になるところですが、この二人に隔たる障害は身分差だけじゃありません。


 主人公が生まれた家、鍛冶屋は主人公が生まれ育った国では嫌われもの。魔族との戦争が終わった国では、戦いの道具である武器を作り、作るだけ作って戦いにはいかない鍛冶屋は醜く愚かな職業といわれています。


 武器がなかったら戦えないし、そもそも平和な世の中になってないのでは?と思いますが、一度広がってしまった悪評ってなかなか消えないので、そういうものとして根付いてしまったのでしょうね……。いやでも、ただ鍛冶屋を営んでいる主人公親子からしたらだいぶ理不尽な話です。


 皇女は主人公と幼馴染らしく、気にせず接してくれます。この皇女の存在が主人公たちにとって希望の光になるのかなと思いきや、プロローグがとても不穏です。炎に包まれる城、戦う主人公の父親。そして冒頭には登場しない主人公……。とても先行き不安。


 プロローグから本編に進むととても穏やかな空気が流れています。主人公と皇女がとても仲のいい幼馴染であること、お互いに共にいることを望んでいることが伝わってくる和やかな日常。

 だからこその冒頭とのギャップがすごい。どうしてあんなことになってしまったのか……。


 二人の恋の行方だけでなく国の存亡もかかっていそうな状況。一体二人に何が待ち受けているのか、二人の恋は成就するのか。気になる方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。


 

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