第10話【炎帝】フレイナ家とフェニックス
フレイナ家。
その一族は昔から炎の魔法に対し強い適性を持っていた。
そしてまだ魔法至上主義になる前の、武力と魔法とが対等な力だった世界。
そんな世界で、フレイナ家は戦争において大いなる活躍をした。
そこで、国はフレイナ家と、フレイナ家が作り出した炎属性最強の魔法、【
それ以来、フレイナ家は代々【火炎鳥】と【炎帝】を受け継ぎ、次世代に継ぎを繰り返してきた。
ある時、フレイナ家に双子が産まれた。
双子は両者【火炎鳥】を受け継いだ。
双子の兄は魔法の才能と戦闘の才能を生かし名のある戦士となり、戦うことが苦手な弟はその炎を武器を作るために生かし有名な鍛冶師として成功した。
そんな時、兄が大きな戦争に出向くことになり弟は兄のため渾身の一振りを作り上げた。その一振りの剣は文字通り魂を込めた剣、その剣には『火炎鳥』が宿り、魔剣が作られた。
そしてその魔剣には、【火炎鳥】と区別をつけるため、『
兄は魔法である【
こうしてフレイナ家の双子は歴代最高の【炎帝】と最高の鍛冶師として名をはせた。
だがこの双子には、いや正確にはその子供たちに問題が起きた。
本来、魔力は一部例外を除いて、親から子へと受け継いでいく事に強くなっていく。
この場合、早く産まれた者、長男や長女の方が魔力を強く濃く受け継ぐ。
だがそれが双子の場合その魔力の強さや適性が半分に分かれてしまうのだ。
この双子は奇跡的にお互い魔力をとても強く受け継いだので影響はなかったが、一つだけ、【火炎鳥】に影響がでた。
そもそも【火炎鳥】とはフレイナ家がもつ特有の炎魔法適性があって初めて使用することができるもの。
そんな適性は、初めて生まれた子へ受け継がれる。つまり必然的に長男、もしく長女がフレイナ家の当主となり【火炎鳥】を受け継ぐことになる。
そんな適性は双子が生まれたことにより分かれてしまった。
さらに分かれた半分は魔剣『不死鳥』となってしまった。
そして、これこそが一番の問題だった。
特有の魔力、それはとてつもなく特別なもの。そんな魔力をもつ家系は世界で見ても片手で数えられるほどしかいない。
そしてフレイナ家の特有魔力は二つに分かれ、『不死鳥』には永遠の炎、【火炎鳥】は強力な炎と、分かれてしまった。
そんなフレイナ家に受け継がれていく【火炎鳥】は永遠の炎を失ってしまったことにより特有魔力が上手く継承されなくなり代々力が衰えていった。
そしてついに、フェルニーナ=フレイナの代で【火炎鳥】を受け継ぐことができなくなってしまった。
そこでフェルニーナをふくめたフレイナ家は分かれてしまった永遠の炎を求めて『不死鳥』を使おうとしたが、『不死鳥』は収められていた倉庫から消えていた。
『不死鳥』は双子の兄が使って以来、誰かを認めることなくフレイナ家の倉庫に収められていた、いや収められていたはずだった。
フレイナ家は『不死鳥』を探し様々な情報や場所を探し回り、ついに行き着いたのは、人を戦わせてお金を儲ける貴族たちの裏賭博。
そこで連戦連勝をしている仮面をつけた少年『無敗の魔剣士』だった。
『無敗の魔剣士』は『不死鳥』のみならず数多くの魔剣を使いこなし明らかに年上の者たちを魔法を一切使わず倒していく姿を見て、ある者は唖然とし、ある者は興味を抱き、そしてその魔剣士と同年代の少女は……
「……かっこいい」
強い、憧れを抱いた。
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