(三)-2

 再び覚悟を決めた。そして思い切って店を飛び出した。

 歩いて行くとずぶ濡れになるので、走った。大雨のおかげで、人通りは減っていた。それでも傘をさして歩いている人はいて、そういう人をすり抜けて、走った。高校時代まで陸上部やってたんだ。この程度、へっちゃらだった。

 そして店の前まで来た。途中再び雨が強くなったが、ここまで来ると、雨脚はだいぶ弱まり、雨粒も小さくなった。そろそろ止むのだろう。

 ともかくまだ降っている雨を避けるために店のアンティーク調の木製扉を開けた。カウベルが鳴った。店に踏み入れると会計台があり、ウェイトレスの女性がいた。


(続く)

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