最終話 それでも愛ある世界

流星作戦当日となった。

結局の所は俺の誕生日に値するので俺の誕生日祝いになる。

俺は山根に.....対して用意を手伝うと言ったが。


山根は俺に対して首を振った。

自分一人の犠牲で良いから、と。

始末書ものだけどマジに良いのかこれ.....。


『アハハ。山根さんらしいね』


「.....そうだな」


病院とネット回線を繋いだ。

俺は自宅で夕日を見ながら.....笑みを浮かべる。

夕日は俺に対して柔和な顔をしていた。

因みに俺の家。

つまりこの場所には、燕ちゃん、俺、いーちゃん、うさぴょんさん、クロックなどが居る。


『でもちょっと待って。何で山根さんはこんな無茶を?』


「.....あ?.....あ。えっとだな.....」


「まあまあ。良いんじゃない?夕日ちゃん」


『.....?』


夕日は首を傾げる。

俺はその姿に苦笑いを浮かべながらジュースで乾杯する。

それからもう一つの山根の動画を見る。

生中継を、だ。

俺は見つめてみる。


「オイ。山根。大丈夫か?」


『おう。まあ大丈夫だ』


「.....マジか?.....見つかってないよな?」


『ったりめーよ。俺がそんな簡単にバレるかよ』


暗闇の中、動きまくる山根。

俺はその姿に苦笑しながら、無理すんなよ、と言い聞かせる。

それから夕日を観る。

夕日は笑みを浮かべて山根の様子を見守っていた。

上手くいくかな、とは思うが。


「山根っちー。無理はすんなよー」


『クロック。大丈夫だ』


「いや。大丈夫って言っても心配だよー。停学になるんじゃない?バレたら」


『.....まあ被害は俺で済むから。大丈夫』


『山根さん.....そこまでして何がしたいのかな』


夕日が手を顎に添える。

俺はその姿に、まあお楽しみだ、と笑みを浮かべる。

そして時刻は20時を回った。


流星が出現し始める。

俺達は山根のカメラ視線が上に向き、おー!、と声が出る。

それから山根は、どうだー、と聞いてくる。


「いや。完璧だけど.....大丈夫か?」


『.....まあバレたらバレたで。.....それじゃ一発いきますかー。誕生日おめでとうな。羽鳥ー』


「.....おう。有難うな」


「「「誕生日おめでとう御座います!」」」


「お、おう。有難うな」


大声に圧巻された。

みんなに祝福される様な形で俺はそのまま祝われた。

苦笑いで夕日を見つめる。


夕日は俺に笑みを少しだけ浮かべてから、おめでとう。お兄ちゃん、とゆっくり言ってくれた。

俺は少しだけ恥じらいながら、有難うな、と感謝する。

すると山根が隆盛を捉えながら言葉を発した。


『それと夕日さん』


と言いながら、だ。

俺達はビクッとしながらその言葉に耳を傾ける。

夕日は、はい?、と驚きながら向く。


呼ばれたのにビックリした様だ。

俺は固唾を飲む。

何れにせよ.....成功しなくても。

山根ならきっと大丈夫だろうけど。


『.....俺な。君が好きです』


『ふえ?』


「.....」


『.....結婚してくださーい!!!!!』


何でだよ!

段階がはえーよ!!!!!

ってか大声で叫ぶなよ!

背後でミラーボールみたいなのがキラキラ光り始めたぞ!


コイツ分かってやってんな!?

俺は唖然としながらその姿を見る。

笑わす為だろう.....山根はパーリーピーポーになる。

銀色のスーツに身を包んで、だ。

馬鹿かコイツ!マジにバレるぞ!?


「アッハッハ!!!!!山根っち馬鹿ー」


「あは.....アハハ」


ほら見ろ!

みんな引き攣ってんぞ笑いが。

俺は心配しながら山根を見つめる。

夕日を確認すると.....夕日は笑うどころか。

涙を流して号泣していた。


『.....私は.....子供を産めないですよ?山根さん』


『ああ』


『.....それに年を一緒に取れるかも分からない』


『大丈夫!俺が何とかすっから!』


『.....何でこんな私を.....』


『そりゃ好きだから!な!』


そんな会話を聞きながら。

俺はみんなを見てから固唾を飲んで夕日を見つめる。

はい、と言いながら頷いた。

夕日が、だ。

そしてまた泣いた。


『.....夕日さん.....』


『もう.....馬鹿なんじゃないですか.....本当に.....本当に......有難う』


『良かった。俺の馬鹿さが伝わって』


すると背後から、コラァ!!!!!、と絶叫が聞こえた。

うわ!やべ!じゃあなみんな!、とブチッと通信はそのまま途切れる。

山根の方が、である。

俺は慌てながらその乱れた画像を見てから。

どうしようもねぇか、と思い取り敢えずは夕日を見る。


「.....夕日」


「.....何。お兄ちゃん」


「.....良かったな」


「.....そうだね。.....私って世界で1番の幸せ者だと思うよ。.....本当に」


言いながら。

夕日は号泣する。

涙が止まらない様だった。

俺はその姿に笑みを浮かべつつ見守る。

それから涙が乾くまで見ていた。


そして.....。


時は経った。

互いの小説も頑張っている中。

ショートケーキも作った中。

馬鹿事件から8年ぐらい経ったが。

まだ夕日は頑張っていて.....そして.....。


今日は結婚式が.....予定された。

夕日と山根の、だ。

まさか結婚するとはな、と思いながら。

俺は苦笑いを浮かべる。



俺といーちゃんが幸せな結婚をしてから.....丁度3年経った。

それから.....交互に付き合っていた俺達。

山根と夕日の用意が出来た様だった。

俺はその姿を見守る為に.....結婚式に出席する。


「.....夕日」


「何?お兄ちゃん」


「.....頑張ったな。.....色々と」


「.....私は特に。山根さんが頑張ってくれたから」


「.....」


しかし結婚式って。

お兄ちゃん泣くよ?、と思いながらウルウルする。

号泣してもおかしくないんだが兄としては、だ。

思いながら俺は.....夕日の美しい姿を見る。

ヴェールと.....シルクの衣装に包まれたその姿の女性を。


「ねえ。お兄ちゃん」


「.....何だ」


「.....私、綺麗?」


「.....当たり前だな。自慢の妹だ。これで汚い訳が無い」


「.....有難う。お兄ちゃん」


それから俺はそのまま席を外す事になった。

結婚式に出席する為に、だ。

母親も来ている。


そして.....俺は写真も持って来た。

その写真を、だ。

親父の写真である。


「まさか8年前の事が.....現実になるなんてね。あなた」


「.....まあ当時の馬鹿さからは予想はしてなかったな」


「.....そうだね。.....遂に私にも妹が出来るんだね」


「.....なあ」


「.....何?」


「.....盛り上がろうな」


うん。

それは当然の事だよね、といーちゃんは横の席で笑顔を浮かべる。

俺はその姿を見ながら.....花嫁と新郎を待つ。

この8年で相当な知り合いが出来た。

それは.....とても美しい感じである。


「鳩ちん」


「.....どうした?クロック」


「美しかった?花嫁さん」


「.....当たり前だ。俺の自慢の妹だからな!」


「このシスコンめー」


「オイオイ」


お前が言ったんだろ。

思いながら俺は額に手を添える。

それからクロックを見た。


あの夜の事だが結局、山根自体は捕まり。

つまり.....まあ反省文まみれになってしまった。

でも後悔はしてない様だが。

そりゃそうだろうな。

告白出来たんだから、だ。


「.....山根のアホのお陰で助かったよ。色々と」


「そうだね」


「.....ったく。.....まあ幸せにしてやるわ」


思いながら俺は苦笑していると。

そのまま、新郎様のご入場です!、と声がした。

俺はその方角を見る。

新郎の山根が居た。

苦笑しながらその姿を見つめる。


fin

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コンビニでバイトをしている俺だが必ず俺の元でショートケーキを買っていく美少女がいるのだが アキノリ@pokkey11.1 @tanakasaburou

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