第27話 僕と昴の彼女にはレーダーが付いているらしい

 そんなこんなで文化祭前日の金曜日。この日は朝から準備だ。と言ってもやることがないのだが。

 そんなことを思っていると

 由希ゆき先輩が僕のことを呼んで

「宮都君。綾川あやかわ先輩が呼んでる」

 と言ってきたので部室に行くと

「すまん、暗幕とかパイプ椅子を設置するのを忘れていたんだ!手伝ってくれ!」

 と言ってきたので手伝う。


 暗幕の設置に時間がかかったが、無事終わったので、教室に戻る。するとすばるが僕の近くに来て

「トイレで話さないか?」

 と誘われたので行くことに。

 男子トイレにつくと昴がどうでもいいことを話し始めた。

「なあ、ミスコンみたいよな?」

「誰出るの?」

「三年生の五十嵐いがらしさんと長篠ながしのさん、二年生の来島くるしまさんなどその他沢山の美人が出るんだよ!見たいよな?」

「いや、その人たちのこと知らんし。しかも人多そうだし。それにやるのは夜だろ?寒いからパス」

「いやいやそんなこと言うなよ!」

「冬華が許可を出すかな?」

「俺は彼女に聞いてない!絶対ダメって言われるから!」

「でもお前、ずっといるんだろ?彼女と」

「トイレを装えばいい!」

「お前命かけてるね。ミスコンに」

「だって、かわいい女の子を見るチャンスじゃないか!」

 と昴がいうと

「じゃあ、私はかわいくないんだ。すー君。話は聞いてたよ。私がコスプレでも仮装でもなんでもしてあげるって言ったじゃん。ほら、説教するから出てきて」

 昴の彼女さんの声が扉の前から聞こえると、昴は動けなくなっていた。

 しびれを切らしたのか

「冬華の彼氏さん、昴を連れてきて!」

 僕が巻き込まれた。すると

「宮都様、怒らないので出てきてください。話は最初から最後まで聞いていました。宮都様は偉いです。ちゃんと断っていたので」

 冬華の声も聞こえたため

「昴、お前の負けだ。一緒に出るぞ」

 と言うと

「いやだ!ミスコン見たい!」

 と言ったので

「すー君、わかってるよね?」

 怒気をはらませながら彼女さんが言うと

「すみません。出ますね」

 昴がそう言って出ると、空き教室に引きずられていった。冬華は

「偉いですね!彼氏の自覚をもって。さすがです!文化祭の時はいつも一緒に行動しましょうね」

 と笑顔で言いながら、腕に抱きつくと

「ミスコンの時間は私たちは何してましょうか?あっ、そうですね、私の頭を撫でてください。ずっと。いいですね?」

 と笑顔でわれたので「わかった。だから、その笑顔はやめてください。怖いです。」そう僕が言うと

「ああ、ごめんなさい。私の彼氏が変な提案に乗るかもしれないと思ったら、自然となっていました」

 冬華がそんなことを言う。

「冬華なら誘いに乗らないことぐらいわかったと思うけどな。もしかして僕のこと信じてないとか?」

 僕が冗談で言うと

「私、ごめんなさい。その、不安で…。ごめんなさい」

 冬華が泣き出したので「冗談だから!ね?」と言うと「本当ですか…?」と聞いてきたので僕は首を縦に振る。

 しばらくすると

「次、そんなこと言ったら罰ゲームですから。いいですね?」

 冬華が圧をかけてきたので

「すみませんでした」

 と僕は誠意を込めて謝る。

 そのあと、仲良く教室に戻った。

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