第23話 ノリで奢ると言ったらマジで奢る羽目になった

 教室に戻ると、文化祭の準備をしていたすばるが僕の所にきて

「[土日ラーメン]っていう店のラーメンを奢ってくれ!」

 と言ってきたので、

「わかった。月曜日でいい?振替休日の」

 と言うと、

「おう!その日の11時に学校の前に集合な!後でLETTERで詳細を言うから!」

 と言うと、昴の彼女さんの手伝いをしに行く。

 それを聞いていた冬華が急にこんなことを言った。

「私も行きます」

「ラーメンを食べに行くだけなんだけど」

「ええ、それはわかっています。また宮都様が私も行くんです」

「テストが近いから、勉強した方が…」

「大丈夫です。もう終えてますから」

「すごいな。でも、昴と僕だけで…」

「ああ、そのことなら心配いりませんよ?昴の彼女さんも来るそうなので」

「なんでそれを冬華が知っているんだ?僕は知らなかったのに」

 僕が冬華に聞くと

「ああ、それはですね、由希先輩のことを励ましに宮都様が屋上に行っている時に、昴の彼女さんが私の所に来たんです。そして「すー君のことさっき問い詰めたんだ。そしたら土日ラーメンっていう美人店主がお店を経営しているラーメン店に行くそうなんだ。冬華ちゃん、心配じゃない?彼氏さんのこと。心配なら一緒に行かない?」と誘われたのでお言葉に甘えて私も行くことにしました」

 そう答えた。

「それならいいけど。もしかして昴はその美人店主を見るのが目的だったりして」

 と僕が冗談半分で言うと

「宮都様も美人店主が目的なのですか?」

 冬華が低い声で聞いてきた。

「まず、土日ラーメンなんて店知らないし」

「あら、そうなんですか?この地区にあるのに」

 冬華が僕のことを問い詰めてくる。

「ああ、家に帰ると妹にかまっているからね。ところでなんでそのラーメン屋があるる場所を知っているの?」

 と聞いてみると

「昴の彼女さんから話しを聞いたときに調べました。口コミ評価は「美人店主がかわいすぎ!」しかなかったですね。まあ、もし、その美人店主に見とれそうになったら、すぐに店を出ますが」

 そう冬華が言う。

 そんなやりやりとりをしていると

「あの、宮都君、運ぶものが沢山あるから、手伝ってほしい」

 と海藤かいとうさんが言ったので

「いいぞ。冬華も手伝ってくれ」

 と僕が言うと

「何言っているんですか?私も手伝うにきまってるじゃないですか。」

 と「何当たり前のこと言っているの?」という顔をして冬華が言う。

 運ぶものは、さっきと同じ。ふと、気になったことを聞いてみることに。

「海藤さん、なんで1人なの?」

「あ~、みんなは忙しそうにしているから声をかけづらくて」

 海藤さんがそう答えたので

「思い切って声をかけることも大事だぞ」

 僕は海藤さんにそう言って運ぶ作業に戻る。


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