真実の夜 後編 side翠


限りある時間の中で月くんをたくさん愛したあとこれからに備えて準備をする。


あぁ…奴に連絡しなきゃ。


月くんのケータイを借りて

こんなの月くん絶対言わないだろうなと思いつつ。

 「会いたいから、僕の家に来て?」

とメールを打ち、履歴を消す。


しばらくして一階であの女が帰ってきて僕たちの部屋を遠慮なく開けた。


「…あら、月は寝てるの?こういう時だけ気が利くのね。

ねぇ翠くん、月が寝てからたくさん話したい事ってなんだったのかしら?」


白々しくも下品に服を脱ぎながら僕に体を密着させてくる。

月くんの部屋で汚い肉体を晒すな、気持ち悪い。


「ここではちょっと…一階に言ってお話ししましょう。」


「そう?わたしはどこでもいいわよ」


リビングに着くと女は僕をソファに押し倒して、僕の下半身を衣服の上から触ってくる。


「…辞めてください」


気持ち悪い。欲求不満なのか?


「翠くんも高校生だもの。私みたいな美人な女からこういうことされるの夢でしょ?」


月くんに比べればお前みたいなのは美人とは言わない。


まったく反応しない僕のを確認して不機嫌な顔になる。


「…翠くん緊張してる?」


…めんどくさいけど月くんとの時間を守るためだからね。


「…責められるの興奮しないんで。

今から主導権は僕でいいですよね」


そういうと、目の前のおばさんは欲情した顔をする。


「じゃあ、まず…目隠しと拘束しますね。」


「え、まさか翠くんそういう趣味なの?意外だけとそれもいいわね。興奮するわ…」


無視して家から持って来た荷物を開けて、女に指示をし、自分で拘束させる。


自分で行える拘束具を用意しておいた。

…まあだいたいこんなもんでいいかな?


足を開かせた状態で手足を一緒に拘束したその姿はまるで醜いヒキカエルのようだ。

目隠しは取れないようにキツく結んである。もし、これで準備は万端。


…あとは奴が来るのを待てばいいだけ。


女に棒状バイブを突っ込み、外れないように固定する。

そして最強にスイッチを入れる。


限界に達しそうになると

最強から弱に切り替える。


そしてまた快感の波が収まって来たときに最強、絶頂しそうになったときに弱と切り替えて決して満足しないよう手元の遠隔操作スイッチで切り替えを繰り返していた。


この作業めんどくさいな…。


女は我慢出来ないと叫んでいる


…うるさいな。

めんどくさくなってきちゃった。

僕は念のために持って来ていた猿轡を女の口を嵌め、媚薬を上からかけて最弱にしたままそのまま放置した。

これで大丈夫だろう。



ピンポーン。


「…あ、やっと来た」


バイブを外し、女に耳栓をして玄関を開ける。


「っ~?!ん!!!ん?!!!」


急に物を抜かれた切なさと、急な来客に焦りを見せる。


「こんにちは、谷川くん」


「…な、なんでお前がここにいるんだよ」


「え?だって、僕月くんの1番の友達だからね。別におかしな事じゃないでしょ?」


「…っ。」


「まぁ、とりあえず上がって、でも大声出しちゃダメだよ」


「…どういう、」


「いいから早くしろよ」


「…っ!」

そういうと谷川は大人しく黙ってついてきた。


「な、なんだこれ」


「…っ!!ん~っ!!」


「この人、月くんのお父さんの彼女さんなんだって。今日初めて会ったんだけど襲われそうになってさ?とりあえず合わせるフリして…今に至るって感じかな?」


「や、ばいだろこれ、どうするんだよ」


「どうもしないよ。これだって自分で拘束したんだから。

その反応…え、谷川くん興奮してるの?もしかして、童貞?月くんの前ではあんなに調子乗ってるのに?ウケるっ」


「…っ」


「でもまあ、良かったんじゃない?

狙われた相手が月くんじゃなくて。この人僕みたいな高校生でも発情する変態みたいだし、さっきだって月くんの前で服脱ぎだすし…月くんの素顔知ったら確実に襲われちゃうでしょ」


「だからさ?一緒に月くん守る方法考えてよ。好きなんでしょ?月くんの事。」


「な、そんなことねぇよ!!」


「あ、そういえば。これ勝が来たらって飲み物淹れてたよ」


「月が…?」


にっこり微笑む。


それを確認すると谷川はそれを一気に飲んだ。


「ふふっ…」


バカだなぁ。


「…?はぁ、はぁっ!から、だ暑い…」


「だってそれ強烈な性欲剤だからね」


「…はっ?月…が俺に?」


「馬鹿、僕がだよ。月くんが淹れたなんて一言も言ってない。」


谷川の下半身がみるみると反り返る。


女の喘ぎ声と淫らな姿により一層大きくなり、谷川は息を荒くしながら発情し出した。


「谷川くん、そんなに辛いなら頑張らなくていいと思うよ?」


もう我慢しなくていいんだよと優しく谷川に声をかける。

するとら僕の方を野獣のような目で見つめる。


「え?僕はだめだよ?下半身バカなの?

そこまで誰でもいいなんて引いちゃうんだけど…きみのお相手はこっち。」


そう言って女の猿轡を外した。


はやくして、我慢出来ないと乱れ、さけぶ。


「ほら、こーんなに求めてる。お互い合理は一致してるよ」


「…っ。」


そして…

谷川は童貞捨てた。



「あはははっ!よくやったね、月くんより目の前の性欲を優先するなんて、谷川お前はやっぱり最低だよ。まさか、僕にまで欲情するなんてね。」


「ねぇ、谷川?ほんとは意地悪して月くんの悲しむ顔見て興奮してるんでしょ?変態。そんなふうに月くんの事ぐちゃぐちゃに抱きたいって思ってるくせに。でもそんなの一生無理だよ。月くんは僕のモノだから」


「だから月くんに向ける性欲をいまのうちに発散しておきな?」


そういって僕は紙袋を女に被せた。


「…っ!」

その途端に谷川の興奮は激しくなる


顔が見えなくなったことで月くんとヤってるのを想像してるんだろう。


可哀想な人だね。

でも今まで月くんを苦しめて来たんだからしかたないよね?


その行為は終わりが見えないくらい激しさを増していた。


…あんなに効くなら今度月くんに試してみようかな。

月くんから襲われるなんて興奮しちゃう。


そんな事を考えているとそのうち谷川に女が跨う。


そろそろ…かな?


…かすかに2階から物音が聞こえた。

大丈夫、影になって谷川の顔は見えないはずだ。


そっとコソッと耳元で

「ねぇ、奈津さんきもちぃ?」

そう尋ねて、月くんに見つからないよう僕は身を隠す。




「さいこぉっ!こんなの、はじめてぇっ、」


ふふっ…月くんこっちみてる。


「いつぶりかしらこんなの…」  

  

あれ、泣きそうになってるの?


僕の為に傷ついてくれてるんだ?


あぁ、かわいい。好きだよ月くん。


「さいこぉ…意外と激しいのね、翠くん♡」


これが終わったらたくさん愛してあげる。

…ねぇ、だからお願い。早く僕の事好きになって?

















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