第27話

 2000年1月1日

 戦後。

 世界は大日英帝国という巨大帝国の元、平和を享受することになる。

 まず、欧州の社会主義国は社会主義ではなく、資本主義民主主義の国となり、僕が元いた世界の日本と同じように軍隊を持つことを禁じた。

 次にアメリカ。アメリカは内戦によってぼろぼろになった国土の復旧に取り掛かっている。

 僕が元いた世界のような超大国に至るにはかなりの時間が必要になることだろう。

 そして、我らが大日英帝国。

 大日英連合帝国。正式名称を、グレートブリテン、カナダ、ジャパン、インド、インドネシア、オーストラリア、オセアニア、中東、アフリカ及び北アイルランド連合帝国。

 大日英帝国連合の領土は非常に広い。

 イギリス、日本は勿論。アフリカに中東にオセアニアにインドに。

 基本的にインドなどは独立こそしてはいないものの、独立したようなものだった。イギリス、日本と対等な立場となり、インド内で選挙を行い、インド内で行われた選挙に選ばれた人がインドの政治を行う。イギリス、日本、インドなど、主要地域から選出された人たちが集まる中央議会によって、多少の干渉はあるが。

 まぁ干渉を受けるのはイギリスや日本も同じだ。

 ちなみに僕が一応中央議会の議長。最高権力者となっている。

 これはインドだけでなく、カナダやインドネシア、オーストラリアなども同様だ。

 政治体系としては、イギリス王室と天皇家を頂点として抱えた立憲君主制である。

 イギリス王室と天皇家は『君臨すれども統治せず』という立場だ。

 大日英帝国連合は、EUみたいな感じの国となっている。

 アフリカでもイギリスと日本の厳格な統治の元、民族ごとの政治が出来るように、貧困がなくなるように、努力中である。

 僕が元いた世界よりも貧困問題は進んでいる。2000年の段階で。

 まぁその分食糧問題とかで困っているんだけど。

 地球温暖化問題とかもね。

 色々な問題が残ってはいるものの、世界は我らが大日英帝国連合のもと、概ね平和を享受できていた。

 

 幾度となく落とされた原子爆弾。戦争によって生まれた数多くの犠牲者が出た。

 我らが臣民はそれらの犠牲を心に刻み、僕ら旧世代の人間を切り落としながら平和な世界を目指して進んでいくだろう。

 天皇陛下万歳。大日本帝国万歳。大日英帝国万歳。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

黒い砂漠〜日露戦争前に第一次世界大戦が起きちゃった世界線で史実未来から来た僕はどうすればいいの?〜 リヒト @ninnjyasuraimu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ