第24話

 原子爆弾。

 大日英帝国が使用した新兵器は絶大な威力を及ぼした。

 中東戦線で進軍していた社会主義陣営の主力部隊を全て吹き飛ばし、大日英帝国は反攻作戦を開始。

 大進撃をしてみせた。

 そして更にまた一つ。

 

 太陽がまた一つ輝いた。


 場所はイタリアの軍港。

 そこは地中海を守る社会主義陣営の主力艦がほとんどすべて集まっているような場所だった。

 原子爆弾によって社会主義陣営の主力艦は撃滅。

 海上戦力のほとんどを失ったと行っても過言ではなかった。

 そして、大日英帝国連合艦隊が港から出港。

 地中海の制海権を求めて大日英帝国連合艦隊が戦闘を開始。

 混乱する社会主義陣営の連合艦隊を一方的に撃退。

 地中海の制海権を確保した。

 大日英帝国の精鋭部隊である731部隊がイタリア本国へと上陸。

 毒ガスを撒き散らし、進軍を開始した。

 社会主義陣営は中東戦線の主力部隊の壊滅並びにイタリア本土上陸に慌てふためき、中華とソ連との間の巨大な戦線に並んでいた戦力を引き抜き、欧州へと送った。

 それが僕の策略とは知らずに。

 我ら大日英帝国はアメリカ社会主義国を降伏まで追い込み、アメリカ内戦に勝利した。

 すぐさまアメリカに送られていた大日英帝国陸軍を招集。

 中華とソ連との間の巨大な戦線に送り込んだ。

 そして、大日英帝国軍が攻勢を開始。

 アメリカの地で経験を積んだ精鋭兵たちはソ連軍へと牙を向いた。

 欧州へ送られ、兵力が不足していたのが原因でソ連軍は大日英帝国軍をはねのけるだけの力を有していなかった。

 ソ連軍は容易く大日英帝国軍の攻勢を前に敗走した。

 大日英帝国軍は進軍を開始、ソ連首都、モスクワ。重要都市であるレニングラード、スターリングラードを陥落させた。

 ソ連はこれを受け、大日英帝国に対して全面降伏。

 ソ連は第二次世界大戦から離脱した。

 その間に社会主義陣営はイタリア本国に上陸した731部隊を殲滅。

 その後、イタリア本国で戦っていた戦力をソ連、大日英帝国傘下のロシア帝国へと振り向けた。

 だが、その頃にはもうすでに冬。

 冬将軍を前に攻勢は失敗に終わった。

 

 これらの攻防で我ら大日英帝国は多くのものを失い、失ったものを大きく超える成果を得た。

 我らはアメリカ社会主義国を降伏させ、ソ連を降伏させ、中東戦線に追いて主力を撃滅し、大いに進軍した。

 だが、後世には批判されるだろう。

 原爆を使ったのだから。

 いや、称賛されるだろうか?勝利するための英断だったとして。

 後世がどうなるのか……後世にどう評価されるのか……僕にはもう理解できなかった。

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