第54話 教員彩々(ゴリゴリ熱血教師 7)

 気づいた時。

 病院の白い天井をみあげながら、点滴に繋がれすっかりおとなしく寝かされていた私は、窓の外が夜色なのを知った。


 マコとの約束を破ってしまったのだと気づき、胸がぎゅっと痛む。

 マコも、マコのかわいい妹や美人で優しい母さんも、きっと私を待っていてくれたから・・・・・・。


 結局、突然の体調不良の原因はこの時検査してもわからなかった。

 それに、翌日にはすっかり元気だったものだから学校へも行くことができたんだけど。


 病院へ運ばれた時の私は、体温計で測れないくらい身体が冷え切っていて、呼吸もほとんどしていないし、脈だって指で触れても感じられないくらいに弱くなっていた。


 後から聞いた話によると、突然こんな状態に陥ってしまって椅子から転がり落ちそうになった私を、近くにいた誰かがとっさに支えてくれたらしい。


 あんまりにも私の身体が冷たくなっていて、酷く寒がっていたものだから、慌てて上着やトレーナーなんかをみんなで巻き付けたり、手をあっためたりしてくれたんだ。


 だけど、そんな思いやり溢れる手当も空しく、私がぐったりしちゃったものだから、びっくりしておぶって職員室までかけこんでくれた。

 こうなってしまっては学校では手が付けられないから、結局病院へ担ぎ込まれたということだった。


 何年か後になって。

 ようやく、どうやら極度の緊張状態の後で半分死んだようになるみたいだってことが判明した。


 懲りない私はそれが分かってからも、全く構うことなく未だに好きなように生きてしまっているものだから、幾度となくこのしょうもない状態をさらすことになるんだけど。


 それはまた、別のお話。

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