第3話 入学式

良かった。まだ始まってなかった。


体育館の入り口へ着いた花咲さんと僕。

指導の先生であろう人が僕たちに近付いてきた。


先生「遅い!何してた!」

僕「保健室に行ってました…」

先生「ったく。間に合わなかったらどうすんだ。」


舌打ちをかまし、まだ何か言いながら戻る。


花咲「あの先生怖いですね…」

僕「怒ってたからだと思うよ」


いつもはあんなではないと思う。そりゃ。

花咲さんと僕は並びながら話す。


いかにも入学式という感じのファンファーレがなり、

歩き始める。


そして、入学式の畏まった生徒会長の挨拶から始まり、先輩方の校歌斉唱で終わった。


クラス分けはまだ見れていなかったので、廊下へと向かう。花咲さんも一緒に。


僕「え~と…あ、あった。」

花咲「どこですか!」


まだ自分の名前を見つけられていない花咲さんが、クラス表を指でなぞりながら言う。


僕「1年5組。いちご。」

花咲「可愛い組ですね~。」

花咲「あ、あった。」

僕「どこ?」


あまり興味ないが、一応聞いてみる。


花咲「え~と、あ、1年5組だ!」

僕「あ、同じ。」

花咲「やったですね!」


どこか変な敬語を使っていた花咲さんだが、スルーすることにした。


花咲「これから1年お願いします!」

僕「は、はい。よろしく。」


花咲さんのほんとの性格を知るのは、今日から二日後だった。

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