守護霊日記

第4話 プレゼント

あれから５０年。

地球温暖化なんて言っていた頃が懐かしいよ。

結局、温暖化どうのこうの言っている内に、核戦争しちゃうんだから。

世界各地でドローンが核のプレゼントを落とすなんて、ナンセンスだわ。

お陰で、守護霊協会の会員の方が多くなっちゃたよ。

今は、一人に対し、守護霊が２０人だからね。

１時間ちょっとで交代だから、引継ぎもままならなく、前後の流れが掴めないんだよなぁ。

時間にゆとりができた分、余計なことしちゃうのが、守護霊ってもんだ。

先日、驚いたことがあったんだ。

守護霊の守護霊を見ちゃった。

俺はお前の守護霊だ～、なんて偉そうにしている奴の後ろにも守護霊がいるなんて、ふざけた話だよ。

守護霊が余っているんだよね。

そのまた後ろにもいたりして。

守護霊協会総則には、そんなこと書いてなかったんだけどなぁ。

地球温暖化にしろ、核戦争にしろ、守護霊の範疇を越えているんだよね。

人間どもは基本的に自己中心で我がままだよ。

自分の正義を貫くために、相手の正義を潰すんだからね。

自然に対しても同じさ。

まぁいいや。

数ある星の一つくらい滅びても、宇宙的には痛くもかゆくもないんだから。

そもそも、地球を守るなんていう発想自体、人間の我がままの延長だからね。

無限に広がる宇宙で、人間や守護霊が何か考えたところで、無であることには変わらなさそうだ。

おっと、仕事の時間だ。

暇つぶしに一応、行っておくか。