良くある異世界転生
死亡そして転生
温かで優しい光に包まれて私はいた。
此処は何処だろうか?
あれ?名前が思い出せない…
覚醒しましたね。
温かな光から語りかけられたが、今一状況が解らない。
なんだこれは?
状況を説明しましょう。
その前に貴方の精神を落ち着かせ話を聞ける状態にします。
…落ち着きましたね。
はい。
宜しい。
では、説明します。
貴方は先程死亡しました。
この死亡は運命に記されていないイレギュラーな事態です。
そこで、私は貴方の魂を掬い上げ此処に避難させました。
そして、この想定外の死亡に対して私は貴方を別の世界に送り、新たな身体を授ける事で対応したいと思います。
どこか遠くの出来事の様に、他人事の様に自身の死が告げられた。
だが、精神が落ち着けられているからだろう、そこに何の不安も感じなかった。
そこで貴方は好きな様に生きて下さい。
元居た場所に戻る事は?と、一応問いかけてみる。
それは出来ません。
誤作動が原因で因果律が乱れた事に因って起されてしまった事象ですが、既に起きてしまった事象の為、それをなかった事には私の在り様では出来ません。
ですので、諦めて別の世界で生きなさい。
解りました。
どうやら、問答無用で送られる様だ。
さて、貴方の肉体は既にありませんが、元居た世界で使用していた時の情報は取得していますので、その情報と現地の類似生命の個体を元に新たに創り出します。
貴方の意識が最も強靱だと思う頃の肉体を再生します。
そして、これから向かう世界で生きていく為の基本的な技術・知識も与えましょう。
知らない身体の動かし方や、魔法の行使の方法、それ以外にも生きていく上で必要な様な言葉を理解する為の知識が送られてきた。
これは…凄いな。
自分が成長する可能性も視える。
貴方は今感嘆の感情を抱いているようですが、これから向かう世界では、この与えた今すぐ活用出来る技術・知識は本当に基本的な能力です。
貴方が向かう世界では、この与えたものがあったとしても、油断をすれば容易に死んでしまう程度のものです。
新たに生を受けた後、寿命を全うしようと思ったのなら精進を怠らない事です。
貴方が今まで生きていた場所と比べると非常に危険な場所ですから。
はい、忠告有り難う御座います。
殊勝な心がけです。
では、私からは以上となります。
お行きなさい、そして生を謳歌しなさい。
包み込んでいた優しく温かな光が遠ざかっていく。
それと同時に今まで意識していなかった肉体の感覚を感じる。
気がつくとそこは森と平原の境目辺りだった。
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