第28話 家政"夫"と執着愛

 康太と京介の新たな生活がスタートした。午前中はいつも通りに家事を済ませる。

昼食後、片付けたら康太は京介に挨拶に行く。


「これから寧々さんのところへ行ってきます。」


すると京介は、キスの嵐をおくる。

そしてクスッと笑いながら


「俺をキスだけで感じた?忘れるなよ!あの家にはお前を狙ってる男もいるからな、恋するなよ!」

「もう京介さんたら!行ってきます」


こうして週に3回寧々の元へ行くようになっていた。


「こんにちは!」

「康太さんいらっしゃい!今日は何を教えてくださる?わたしね、昨日の夜これを作ったの!」


肉じゃがを見せてきた。先週教えたのだ。


「上手に出来てますね、味もしっかり馴染んでてとても美味しいです。」

「ほんと?よかった」


 最初は包丁の持ち方からわからず、教えた寧々だが今では普通の家庭料理なら作れるまでに成長していた。

 そんな過程を通じて寧々と康太は、すっかり仲良くなっていた。


「いらっしゃい。」

部屋の奥から十維が出てきた。十維は寧々の兄で一緒に暮らしている。時折仕事が休みの日は家にいるのだ。


「こんにちは、十維さん。

 じゃ、寧々さん、今日はこれをしましょう。」


康太は、寧々にワンポイント上の掃除の方法、料理も初級ではなく中級のことを教えていた。熱心に教える康太の顔をじっと十維は見つめていた。

そして…


「康太さん、京介さんはそんなに僕のことを信用ならないんですかね?そんなに僕を警戒してるんですか?」


康太は何を言われているのかわからなかった。

すると十維が鏡を康太に向けてきた


向けられた鏡で自分を見る康太

「あーーー!もう!」

首筋にキレイにキスマークが3個もついている。


  京介さんのバカ!もう!!


「僕にも好きな人がいるから安心するように言ってくださいね! "俺の"アピールはいりませんと。」


笑いながら十維は自分の部屋へと帰っていった。



 夕方、レッスンを終えて10階へ帰ろうと寧々の家を出るとそこには京介が待っていた。


「終わったか?」


レッスンが終わるころになったら、京介が迎えにきてくれるのも日課になっていた。もちろんそれは、変なことをされないかの予防線のためでもあった。


「忙しいんだからわざわざ迎えに来なくてもいいのに」


「ダメだ!8階は危険だ!

 8階だけじゃないぞ、俺の前以外はどこも危険だからな」


手を繋ぎエレベーターを待つ。ちょうど地下駐車場から上がってきた。

 ドアが開くと中から外人か?のような大柄で彫りの深い、香水の香りがプンプンする、どこからどう見ても近づいたら危険な感じのする男性が降りてきた。


「ん?若林?」


その男は、京介をみて話しかけてきた。


「京介さん知り合い?」


「………………」


「おい!若林だろ?無視するなよな!珍しいな、お前が8階にくるなんて。久しぶりだな、元気してるのか?おい、なんか言えよ!」


「お前と知り合いと思われたくないから無言なんだろ?わかれよ」


「そんな冷たいこと言うなって!てかさ、隣のかわい子ちゃんはどなた?」


京介はその男の胸ぐらを掴んだ


「おい!絶対コイツには近づくな!いいな!」


「すごい警戒だねー、つーかお前そんな熱い男だったのか?知らなかったなー。

 初めまして、可愛いこちゃん!僕はそこの部屋に住んでるMaxと言います。困ったことや寂しい時、いつでもコールしてくれたらいいからね!はい、これ僕の名刺」


「おい!そんなものは必要ない!」


「いいんだよ、若林には言ってないだろ?ほらほらエレベーター乗った乗った。

 さぁ、おうちにおかえり!んじゃかわい子ちゃんは、またねー」


大きな男、Maxは、部屋へと帰って行った。

京介はさらに硬く康太の手を握りエレベーターに乗る。


「だから8階は危険なんだ!康太、あいつには絶対に近づくなよ!」

「……はい。」


 2人は京介の家へと無言で戻った。


 家に着くなりすぐさま康太を壁に寄せてキスをする。貪るように吸い付くようにキスをする。

 たった数時間離れただけなのに寂しかったのか、はたまたさっき会った香水の香りがすごいMaxという男のせいなのか……京介は余裕なく康太を求める。


「コウタ……」

「京介さん、待って……待って……」

「待たない、待てない!」


そういうと、康太を壁にもたれさせ、康太のパンツのジッパーをさげ、中に手を入れる。首にキスをしながら吸い付きながら、康太の陰茎を、なでさする。

 そして、今度は蕾に指をあてていく。


「コウタ……愛してる」

「僕も愛してます。京介さん」


京介は自分の指を舐めて濡らし、康太の蕾の中へと入れていく。


「コウタ、ここが柔らかいよ?」

「昨日、あんなに京介さんがしたからですよ」


 京介の指は1本から2本、そして3本目も咥え込んだ。


「コウタ……もういいか?」

「きて……京介さん」


後ろから一気に突き上げていく。


「あー……アッアッ!」


優しくキスをしたかと思うと、また荒々しく突き上げていく。


「あぁっあぁ!あっ……あぁ……!」

「コウタ!お前は俺のだ。俺のものだ、誰にも渡さない」


突き上げるたび、あえぎ反応する康太が可愛くて仕方ない。

 京介は康太の口元に手をやり、舐めてもらったかと思うと、またキスをする。


「京介さん、僕だってあなたを感じたい……アーッ」


「コウタ!コウタ!」


 果ててもなおまた愛し合う、抱き潰してしまうのではないかと思えるほどに京介は康太を求めていく。

 そして、それ程までの愛を喜び受け入れる康太。


 共に疲れ果てるまで愛し合う2人なのでした。

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