JS拾いました

ネルシア

JS拾いました

「おい!!何やってんだよ!!あの件どうなってんだよ!!」


職場に広がる怒号。

怒れる上司が偉そうに椅子にふんぞり返っている。

机の反対側の私の視線は自分のパンプス。


「すみません。」


「すみませんで済む話じゃないだろ!!」


元はと言えばお前が無理やり私にサービス残業させて眠くて気絶しそうな時に書類のチェックを任せるだろうが。

だが、それを口にすれば、お前ができるって言うからだろって言われるに決まっている。


「できねぇことはできねぇっていつも言ってるだろうが!!!!」


出来ませんって言うと、こんなこともできないのか。なら明日からお茶だけ出しとけって言われるし、実際にされるのになぁ。


「すみませんでした。」


その後もネチネチと怒られやっと解放された。

もちろん罰として、サービス残業マシマシ、深夜帰り。


「あー、やってらんねぇなぁ・・・。」


意識も朦朧とする中での帰り道。

足取りもまるで酔っぱらっているかのような千鳥足。


川に架かっている橋を通る前の高架下。

夜も深いため、よく見えないが、段ボールらしき輪郭がおぼろげにあるのが分かる。

普段なら気にも留めない。


「子犬ちゃんかなぁ~、子猫ちゃんかなぁ~。」


自分でもテンションがおかしいのが分かる。

スキップしながら段ボールに近づく。

中身を除くと驚いた。


「・・・いや、子猫ちゃんかなとは言ったけどさ。」


段ボールに入っていたのは汚らしい恰好をしたまさかの幼女。

横たわっており、今にも死にそうな息遣い。

その眼は死にたい私とは違ってただ単純に「生きたい」と動物の本能を表現しているようだった。


いやさ、私ずっと今まで誰にも言ってなかったけどレズだけどさ。

これ、連れ帰ったら事案にならない?

てか捕まえるよね?

いやいや、連れて帰るなんてそんな。


「あっはははは!!!!そんなまさかねぇ!!」


と叫びながらアパートの自室に戻ったのは良いものの、ふと自分の両手を見てみると、あれまびっくり、ものの見事に連れ帰ってるではないか。


「あーあ、これは夢だ夢。」


そう言いながらその子をベッドに寝かせ、冷蔵庫から飲み物と食べ物を持っていき、頭を起こし、飲ませ、食べさせる。

服も脱がせ、シャワーを浴びせる。


「あっははJSの裸~。あひゃひゃひゃひゃ。」


現実を受け入れられないまま、必要最低限のことはこなしていく。


「よーしよしよし綺麗だねぇ!!!!!」


脂がひどい髪を何回もシャンプーして汚れを落とす。

体も石鹸を泡立て、体をこする。

その時に幼い膨らみに触れ、興奮してしまう。


襲いたくなる気持ちをぐっとこらえ、干したてのタオルで丁寧に拭いていく。

サイズは大きすぎるが、私の服を着せて、ベッドへと抱き上げていく。


「はぁ、なんて素晴らしい夢だろうか。」


夢の中で眠る。


スマホのアラームで目が覚めると、目の前に幼女の顔がある。


「なんだまだ寝てるのか。」


「えっと・・・もう朝だよ?」


「だって私が幼女連れ帰るとかそんなのないしあっはははは!!!!」


「だから朝だってば。」


未だに鳴りやまないアラームを止め、スマホを見る。

うん、確かに朝だ。


「つまり、本当に私はあなたを持ち帰ったわけか。」


「本当に助かった。ありがとう。」


「あー、うん。おっけ。よし、仕事行くわ。お昼ご飯とか大丈夫?」


「うん、大丈夫。」


「いや、やっぱよくないわ。」


心配になり、残しておいたカレーを器に移し、それを電子レンジに入れる。

スプーンは机の上へ。


「いい?お昼食べたくなったら、この機械のこの部分を1に合わせな。音が鳴ったら取り出して食べるんだよ。」


「わかった。」


「あと、これテレビのリモコン。分かる?」


「なんとなく?」


「ここを押したらつく。ここ押したらチャンネルが変わる。ここで音の大きさ。」


「わかったありがとう、お姉さん。」


素直な感謝に思わず気持ち悪い笑顔をこぼす。


「ありがとう・・・。」


その日の仕事なんて全く頭に入っていない。

怒られた気もするが、まぁいいだろう。

いつもの怒声もお前がやれも全部断った。


そう、私の家には天使がいるのだ!!!!!


「ただいま!!」


とてとてと素足の音が聞こえる。


「えっと、お帰り。待ってた。」


両手を差し伸べてくる。


「うん、ただいま!!」


抱き上げようとしたら、私の顔を両手で持ち、自分の唇と私の唇を合わせる。


「ん~!!ん、あ、、、、んんんんんんん!!!!!」


おっと、これはいけませんぞぉ。

濡れますなぁ。


倒される前に、何とか引き離す。


「ど、どうしたの?」


「好きな人とこういうことするのが当たり前じゃないの?」


あー!!!!!!!!!!!

この純粋さ。


くぁwせdrftgyふじこlp


ふぅ。


「そういうこと気軽にしちゃだめだよ。悪い人が寄ってきちゃう。」


「・・・でも、私にはあなたしかいないの。」


ぐへあ。

ツーアウト!!


「今はまだ若いからわからないかもしれないけど、そんな簡単にしていいものじゃないの。これからの人生長いんだし。

私よりもっといい人が出てくるかもしれない。」


「そんなことない!!新しい洋服もくれて、あちこちに連れまわしてくれて、私・・・私・・・あなたがいればそれでいいの!!!!!」


あーい、スリーアウト!!!!!!!!!

試合終了!!!!!!

ノックダウン!!!!!!!!!!!!!!


それから私とその子は幸せにいちゃいちゃと暮らしましたとさ。

もちろん、私好みに調教もしましたとさ♡


FIN.

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JS拾いました ネルシア @rurine

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