幕間

 ◆???

 テスターが仮想世界にログイン(ダイブ)してから、もうすぐ半年近く経とうとしていた頃——現実世界では1日が過ぎていた。


「現在、仮想世界でのテスターのログイン率100%。彼らは我々の意図通りに動いてくれています」


 とある施設の一室には巨大モニターが設置されており、モニターが見える形で机がU字に配置されている。

 そして、モニターには各テスターの信頼度パラメーターがグラフ化されて表示されている。


「計画通りですな」


「……」


「どうされましたか、鈴木代表」


「油断するな。あそこには、あの英雄の忘れ形見がいるんだぞ」


 今この場にはVSPの裏の計画を知る人物たち三人が集まっている。

 日本産業社の加納社長。

 現総理大臣の瀬田総理。

 そして、日大連代表である私。


「わかっております。しかし、彼は我々に従順です。あいつとは真逆ですぞ。それに、加納社長のご息女もこの世界に馴染んでいるようで」


「……あやつのことは私には関係ございません」


「……まぁ、いいでしょう。引き続きモニターの監視とあの方への報告を怠るなよ」


「「はっ!」」


(甘い……今は従順だったとしても、奴の息子だ。それに、加納の小娘と連むことでどんな変化を見せるか……)


 モニターに映る草薙彰と三位凪沙を凝視し、今後の展開を改めて注意深く監視することにした。



 〜〜〜〜〜


 彰の知らないところで事態が進んでいる。

 このことがどのように彰や凪沙に影響を与えていくのだろうか。


 次章、『幸福ってなんだろう?』



「私の幸せは、私が決める!」



 to be continued...

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