糖尿病とお酒

 私は全くお酒が飲めません。家族も飲めないので、小さいころから我が家の冷蔵庫には料理酒しか置いてありませんでした。

 そのため医者になりたてのとき、とても困ったのがお酒の量でした。問診の中で1日に飲まれるお酒の量を伺ってもイメージがつかず、それが多いのか少ないのかわからない状態でした。1日のアルコール量は20g(女性は10g)が適量と勉強はしていても、ビール・ワイン・日本酒・ウイスキーの量、お酒の割り方や瓶の大きさとか、缶ビールの内容量とか銘柄によってはアルコール量もちょっとずつちがうし―etc.皆さんそれぞれの好きなお酒を言葉でお伝えいただくので、換算することがすぐにできなくて、判断できないこともしばしばでした。

 今でもわからないときはわかりません!最近は開き直り、逆に「それってどれくらいの量ですか?」などと患者さんご本人にきいてしまいます。

 飲酒というこの点だけは患者さんに心から共感できないハンデを感じながら診察をする日々です。患者さんからもわかってもらえない!と思われているだろうなと想像してしまいます。

 


 さて、そんなお酒ですが、糖尿病では1日10g程度までと言われています。ビール250ccです。私はHbA1c7%未満にご自身でコントロールをつけることのできている方にはこの量をOKしています。ただし週2日の休肝日をお願いしています。

 HbA1c7%以上の方は禁酒です。また合併症や肝機能の状態によってその方に合わせて判断します。



 少量のお酒は体にいいと巷ではよくいわれますが、最近ではお酒は少量でもからだに悪いという研究結果もでています。ノンアルコールビールでも糖質がとても多いものもあるので要注意です。



 「酒は飲んでものまれるな」とはよくいったもので、みなさんお酒とは上手な距離感でお付き合いをしてくださいね。

 


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糖尿病で気を付けたいこと 八部まどか @inu-kuma

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