5ー28

Q「今回のアルバムには、全英語歌詞の曲があったり、英語の歌詞が多いように感じたのですが、そう考えたら、今まではほとんど日本語の歌詞だったように思いますが何故ですか?」

K「そうですね。意識して日本語歌詞にしていました。俺にとっては、曲のリズムにのせるのも英語の方が楽で、ストレートに言いたいことをズバって言うのも英語の方が楽なんですよ。

でも、今までは敢えて日本語にしていました。

日本語の方が深いので。

英語ではYOUでも、日本語ではアナタ、キミ、オマエって自分と相手との関係性も表現できる。

そうゆうのが、魅力ですね。

伝えたい思いがあるなら、日本語の方が伝わるだろうと思っています。だからこそ、難しいんですけど、日本語にこだわって作ってきました。

でも、今回英語を多用したのは、龍聖の英語の発音とかキレイなので、oneの曲を前に歌わせてもらった時にもすごく良かったので、龍聖の英語の歌声を皆さんにご披露したかったし、10年の節目なので、ちょっと違う方向性も出していきたいかな~という感じです」

Q「11月からツアーが始まるそうですが、どういったものになるのでしょうか?」

K「はい、今回のツアーは、34ヶ所40公演で全国を廻ります。パターンAとパターンBで違ったセットリストでやります」

Q「それは、楽しみですね」

K「11月から5月までの長丁場なので、皆さんのお近くへ行く時は、是非一度見に来て聴いてみて欲しいです」


「以上になります。ありがとうございました」

ボイスレコーダーをピッと切った。

「ありがとうございました」

「なんか、うふふ、あ、ごめんなさい。

keigoさんにインタビューするの初めてでしたけど、なんか意外に見かけより真面目な人?」

ケラケラと笑いながら言われた。急に地が出た感じ。

「えっ?どうかな?見た目通りなんじゃない?

あ~~俺、AB型だからかな~、どっちパターンも出来んだけど、Realのkeigoとして来てるから、まぁマジメにこたえてみましたけど」

「あはははは。ね~、私とつきあわない?」

「お!すっげー、どストレート!!

直球の球もらったから、直球で返すけど、

ゴメン!ムリ!」

「え~~なんで~~?フリーでしょ?

会えない人をいつまでも想ってたって、発展的じゃないじゃない!」

「あはははは!!だよな~!!発展的じゃないか~!

まぁ、こんなんで発展的じゃない男なんで、オススメ出来ないわ~!

じゃ、帰ります。お疲れ様でした」

立ち上がり歩き出すと、後ろで

「もう~~、なんでよ~~」とか言っていたが、振り返らなかった。


発展的じゃない……か……

だな……

わかってるよ……


恋愛って、お互いに惹かれあって、求め合うもんだろ。

で、その先に結婚ってゴールがあって、そこからリスタート。

安定した家庭を築いて、子供を作って、大切に育てる。

俺は、彼女のことが好きだったけど、安定した家庭で子育てを共にする毎日を望んでいたわけじゃない。

そんなこと俺には出来なかっただろう。

これから先だって、そんな風に思える人と出会うことなんてあるのかな。

父さんと母さんは、アメリカで出会い、たぶん激しく惹かれあい結婚した。

だけど、母さんはやりたいように仕事もできず、子育てする毎日。

父さんは典型的な仕事人間。

そこへ父さんの異動で、日本への引っ越し。

母さんは大変だったろう。

離婚して、親権は父さんで、俺は、母さんと引き離された。

でも仕事するしか能がない父さんが、俺を育てられるわけもなく、長野のじじばばに俺をあずけた。

俺に対して愛情がなかったとは言わない。

両親も、祖父母も俺を温かく見守り、育ててくれた。

でも、俺は、結婚というものに対して、夢や理想を思い描けない。

大好きな人とも、いつか……遅かれ早かれ別れの時がくるのだと思ってしまう。

彼女とも別れがくるのは わかっていた。

それが、思っていたよりずっと早くて、一方的に終わりにされてしまったから、心が納得できずにいるんだろう……

それを恋と呼ぶのなら、俺は、未だに彼女に恋をし続けている。

なんの発展性もない恋を……

15年も、恋を……し続けている。




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