5ー24

 LOVESICKNESS2のレコーディング。

2週間の予定。

収録する13曲のうち、シングル曲の3曲はすでにレコーディングが済んでいるから、あと10曲とボーナストラックで入れるYOINのイントロ部分のピアノ演奏を、瞬じゃなくて、俺がやることになった。


曲によって、各楽器パート毎に録音するものと、スタジオにみんなで入って、演奏して龍聖が歌うって言う 一発録りのやつがある。

今日は、レコーディング初日で、一発録りのものを2曲やる予定だ。

今日の2曲は、割と軽くふんわりとしたラブソング。


10年前のファーストアルバムを改めて聴いてみると、なんてゆうのか、だいぶ恥ずかしい。

感情がドロドロしている。

彼女に対しての恨み節みたいな。

これを彼女は聴いただろうか。

他の人にとっては、何でもない歌詞も、彼女にはキツかったかもしれない。

こんな風に思っていたのか、って呆れたかもしれない。

ネガティブな感情を昇華できずに、ネガティブなまま終わらせる、みたいな曲が多い。

それを、優しいキレイなメロディだったり、激しいロックで誤魔化しているけど。

まぁ、龍聖が歌ってるから、良い感じに仕上がってはいる。

オールラブソング 

だけど全体的に、陰陽で言えば、完全に 陰なアルバムだ。


それと比べると、やっぱり10年経って、俺の気持ちも落ち着いているんだろう。

一貫して彼女へのラブソング。

だけど、恨み節じゃなく、今でも彼女のことを好きだと思っているオレを、俺が俯瞰して見ているって感じ。

そうだよな!うん!わかるよ!って。

楽しい気持ちのラブソング

きれい事じゃないラブソング

寂しい気持ちのラブソング

超エロいラブソング

いろんなパターンで作った。

ネガティブもポジティブも、陰も陽も、全部俺の中にある気持ち。


 

 レコーディング7日目。

昨日、音部分を録音した曲のボーカルレコーディングと、コーラスレコーディングをする。

5人でスタジオに入った。

メインコーラスは俺、サブコーラスを大輝が入れる。

だけど、この曲はコーラス以外に5人の声を入れることになっている。

“イキ声”

どんな風になるか、結構楽しみだった。



Love me more.


不埒な感情に身を任せ

ヨガったって アエいだって いいでしょ

そこにココロがあったって なくたって

ヤレるでしょ

ただのオトコとオンナなら


カラダを求め合うのは フシダラかい?

ココロを求め合うのは ケダカイの?

それもこれも セットだろ


オマエを壊したい   (D)

オマエを癒やしたい  (s)  

オマエを傷つけたい  (R)

オマエを包みたい   (U)

オマエを憎みたい   (k)

オマエを愛したい(Love you more)


それもこれも セットだろ


カラダを求め合うのは フシダラかい?

ココロを求め合うのは ケダカイの?

それもこれも セットだろ

 

オレにはオマエしかいないんだ

(You're the one for me)

オマエなしでは生きられないんだ

(I can't live without You)

オマエを失って とても耐えられない

(I can't get over losing You)

オマエのことが 忘れられないんだ

(I can't forget You)

オマエのためなら 何も惜しくないよ

(Nothing is too good for you)

こんな気持ちになったのは 初めてだ

(I've never felt like this before)

オマエを好きにならずにいられないんだ

(I can't help falling in love with You)


Look at me !!

Uーーーー

Love me more

Uーーーー

Love me more(k)



カッコの部分、イニシャルの人がイキ声を出す。

あぁ~~でも、うぅ~~でも、何でもいいから、とにかくエロい声を入れようって。

俺のアイデアだけど、これに瞬がノッてくれて、採用された。

ふざけんな!って怒られっかと思ってたから、意外だった。

「この曲は、マジでエロさを出した方がいいからさ、龍聖の歌い方も、ねちっこくいこうぜ!」

「了解」

「じゃ、それぞれ、イッた時の声で~!」


オマエを壊したい   (ゔぅあ~)



「あははははは!!」

「アハハハハハ!!」

「大輝!!ゔぅあ~!!ってなんだよ~!!

でけーウンコ出たみたいな声じゃん!!」

悠弥が手を叩いて笑った。

「おい!!人のイキ声にケチつけんじゃねーよ!!俺は、出す時は、そうゆう感じだ!!」

「あはははは!!」

「一人ずつ批評してたら終わんねーから、サラッとやるぞ!」

瞬が俺と悠弥を見ながら言った。

「ゴメンゴメン。了解!」

「じゃ、とにかく笑うな!!止めないで、最後までやるぞ!!」



オマエを壊したい   (D  ゔぅあ~)

オマエを癒やしたい  (s  ハァ)  

オマエを傷つけたい  (R  ンゥー)

オマエを包みたい   (U  ア、ィィ)

オマエを憎みたい   (k  んァ)

オマエを愛したい(Love you more)



「あはははは!!」

「アハハハハ!!」

5人で笑いまくった。

そんな感じでレコーディングしたけど、出来上がったものを聴いたら、すごくエロい いい感じに仕上がっていた。

これ、ライブでやる時は、また笑わないようにやらなくちゃだな。




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