5ー20

「軽音部、曜日で決まってたのか、部室じゃなくて外通路でやってる日があっただろ?

プールで泳いでると聴こえてくんの。前嶋のドラムと武内のベースがスゴイいいリズムで、そこに長谷川のピアノと須藤のギターがプラスされると超キレイなメロディになって、で、桜井が歌うとすっげー聴いてて気持ちよくて、マイク使ってないのに、桜井の声って、水の中でも聴こえてくんの。なんてゆうのかな~耳もとで囁かれてるみたいにスーっと耳に入ってくる。すげー不思議な感じがしてた。この人たち、すごいな!!って思ってたよ」

「まじか~!!俺ら、よく怒られてたイメージだけどな~!」

「ウルサイ!!って、茶道部と書道部がカンカンだったな!あはは!」

「そう言えば、俺らは、沢村のこと、21歳でオリンピック出たところからずっと応援してるけど、沢村は俺らがデビューしてたこととか知ってたの?」

「もちろん、知ってたよ!デビュー前からかな?

たぶん、あの時はデビュー前だよな。

YO.I.Nのプロモーションビデオの撮影に、国際プールに来ただろ?

あの時、俺いたんだよ!あそこに」

「えーーーー!!」

「マジでーー!!」

「撮影入るけど、22時までは競泳プール使っていいって言われてたから、泳いでたよ。

遠目で見て、真っ白い衣装でさ、いかにもロックバンドって感じだな~って。

リアルって聞いたけど、知らないな~って、今度デビューする人達なんだって!って聞いてさ。

へぇ~って、くらいで。

歌うのかな?って思ってたら、飛び込み台の方へ行ってさ。

そろそろあがろうかって思った時に、武内の声が聞こえたんだ。

飛び込み台の上から、おーい!!って、そしたら下で、悠弥ガンバレ~って須藤がデカい声出してさぁ。

わ!!リアルって、リアルタイムロックか!!って、ちょーービックリした!」

「あはははは!!リアルタイムロックな!!」

「あはははは!ってか、なんで声かけてくんなかったんだよー?」

「えっ?なんか、馴れ馴れしいかな……とか、俺のことなんて覚えてないんじゃないかな~とかって思って、そそくさと帰ったよ」

「マジで声かけて欲しかったな~!!今の話、大輝が聞いたら超怒るわ~!あ、やべ聞いてんな、たぶん」

「あはははは!大輝、沢村のファンで、超応援してっから!今日も会いたいって言ってたんだ」

「マジで?前嶋ごめんね~!声かけなくて。

俺も、あれからずっとRealを応援してるんだ!!

お互いに頑張ろうぜ!!」

「は~い!!大輝~!沢村からメッセージいただきましたよ~!!

あ、あとでサインちょうだい!!」

「俺のサインなんている?おまえらのサインくれよ!」

「あはははは~!じゃ、あとでサイン交換するってことで。ゲストの時間を大幅に過ぎちゃってるけど、沢村 時間は大丈夫?」

「俺は大丈夫だけど、ごめん。喋り過ぎたかな」

「いやいや、俺らも喋り足りないくらいだったからさ。まだ帰らないでいてくれよ。じゃ、ここで、一曲お聴き下さい。Realで、光射す場所へ」

 

♪~~~~

「ちょっとマジで沢村!すげー初耳すぎだわ~!!」

「あはははは~。俺、今までRealと同窓生だとか、マスコミに言ったことなかったけど、これからは おおっぴらに言っちゃっていい?」

「言えよ!ってか、俺らも言わせてもらうわ!」

「あ、大輝からラインきてる。アハハ!マジでキレてるわ!!サインくれって!!」

「了解!前嶋さ~、高校の時なんて、超ヤンキーみたいな感じだったよな~!すげー怖え~って思ってたもん」

「それな!龍聖もパンチの人が恐かったから、断われなくてバンド入ったって言ってるよ!」

「アハハハハ!!桜井も桜井で、別の怖さだったけどな!デカくて、いつも睨んでてさ」

「アハハ!そうゆう顔なだけだけどな」

「曲 終わるよ」



「曲の間も、ずっと沢村と喋ってましたけど、ほんと、今回沢村がゲストのオファーを断らないで受けてくれて、ほんとありがたかったです。ありがとね~!!」

「いや、ありがとうはこっちのセリフだから!!まさか、呼ばれるなんて思ってもなかったから、すげー嬉しかった!!今度、ライブ行かせてもらうよ!」

「マジで?じゃ、いい席用意するから。

あ、楽屋も来て!大輝に会ってってよ~!」

「あぁ、お言葉に甘えて、そうするわ~。テレビとかでは、Realを観てっけど、生で演奏聴くのは、高校の学園祭以来見たことね~からな~!楽しみ。長谷川にも桜井にも会いたいし」

「高校の学園祭!realtime’rock時代じゃん!!

今はあれよりは、上手くなってっからさ~!!」

「ってことで、今回は、14年ぶりに旧友に会えた!って回でした。

本日のゲスト、沢村尊さんでした~!

沢村!ありがとう!」

「ありがとうございました!」

「今夜の、ラストの曲です。Realで、

what a day!  バイバイ!!」

「おやすみ~!!」

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