第12話

 さて、何時間経ったか。

 まぁそんな事考えなくていっか。


 良いのか?


 とにかく、拠点が完成した。

 キツネさん達には悪いけど、場所を変えたので掘りなおしてもらった。

 私も手伝ったし、いいでしょ。


 多分。


 そんなこんなで、拠点のソファーで横になった。

 もちろん、テレビも配置して動画配信サービスの動画を垂れ流して。


「ねぇ? 主さん。青ちゃんと何してるのですか?」

「そうですよ。お母さん。油売ってる時間があったら私達のレベリングをしてはどうですか?」


「えーでも、そんな事面倒じゃない?」


「面倒? 何を言っているのです? バカなのです? 自分のレベルも上がって一石二鳥って言うのに」

「そのレベルが上がらないのは誰のせいですか?」


「え? お母さんってレベル上がらないの?」

「そうだよ青ちゃん。あのキツネ耳をした生物になんかステータスロックのスキルをいっぱい。えっと、使用時ステータスが十分の一になる蕾霊ライレイ、ステータスが150で固定される憑依。さて、スキルの新規獲得出来なくなった、これゲームをどうしろと?」


「なんの事なのです?」


「だから、もうなんかやり切った感あるじゃん? だから勝手に周回してたら?」


「キツネーさん、どうします?」

「周回は面倒なのです」


「ならもう、すげー強いボスを倒して、経験値を大量入手なのです?」

「ボスですか、キツネーさん。ボス?」


「なんで私を見るのですか?!」


「いやぁーもう、星座さんってボスみたいな物でしょ?」

「ボスかもしれんけど、まだレベル50ですよ?」


「へぇー星座ちゃんって、50レべなんだーすごい!」

「ねぇ、そうでしょ? 青ちゃん。じゃぁ私と一緒にレベリングする?」


「何するの?」

「え? 共食い?」


「草」

「何? 主様? そんな事朝飯前ですよ?」


「あー青、駄目だよ。お姉ちゃん狙わない」


「あーもういい。わかった。なんかそこら辺の良いボス倒そう」



~オープンワールド~


「おう、お嬢ちゃん。久しぶりだな。どうしてた?」

「まぁマイワールドに籠ってました」


「がはは、面白うそうな事してるじゃねーか。で今回は何をしに来たんだ?」

「これを売りに来た。あとボスの情報収集」


「なるほどな。で、それが売る物かい? おぉ、これは鏡面魚じゃねーか、売値は500Gでも良いが、ここより高く売れる場所なんていくらでもあるぜ? 良いのか?」

「あ、それもう要らないから、200Gでいいよ」


「お嬢ちゃん、それは悪いぜ。でも本当に良いのか?」

「いいよ。でも情報頂戴ね?」


「がはは、安くるから、良い情報をとな? 良いだろう。まだ誰にも話していない情報をやろう」

「本当に?」


「ああ、本当だ。その情報とな、漆森ってあっただろ? あの奥の湖なんだが、そこにセイレーンが住んでおって、かなりレベルが高いらしい。そりゃぁ倒せば経験値うっはうっはだな。でも気をつけろよ? あ奴は、歌で「魅了」してくるからな」

「へぇ、経験値って正確にはどの位です?」


「あぁそうだな。プレイヤーの1レベルが47レベル位まで上がる位じゃないか? でも、生物によって必要となる経験値って大きく異なるから、あてにはるすなよ?」

「なるほど。ありがとう。では行ってきます!」


「待ってくれ、お嬢ちゃん」

「何ですか?」


「最近、この店でチェーンソーっていう武器を買っていった男がいる。その男ってやつは、お嬢ちゃんに倒されたっていう、プレイヤーだ。気をつけろよ?」

「気を付けるって何を?」


「これ以上は話せねぇ、ごめんな。でも頑張って来い!」

「ふーん気を付けます」



~湖~


 着いた所は、それはもう絶景としか言えない場所。山に囲まれ、どうやら谷に水が溜まった自然ダム。


そうは言いつつも、浜辺もあって水遊びにはもってこいって感じ。

透き通った水に潜るのは、なんか良さそう。


 で、今その浜辺に居る。


「所で、なんで竜人さんが居るんです?」

「え? 駄目でした?」


「まぁいいんですけど」


 ところで、どこに居るのだろうか?

 パット見、どこにもいないのだが?

 潜っているのかな?


 ようわからん。一旦、湖の水だけ持ち上げてみるか。


「スキル憑依の3と9」


「待ってください。なんで憑依もってるんですか?」

「知らない、なんかあった」


「えぇ」


 とりあえず、水だけを持ち上げる。


 すると、なんかポトポトと水から落ちてくる。

 魚と、人魚みたいな何か。


 とりま、その人魚らしき生き物の口を固定しておく。


「竜人さん。なんですあれ」

「セイレーンだね。多分」


「あれが?」

「でもおかしいね。鳴かない」


「だってさ、青達。それぞれ一発殴ったら、戻ってきてね」

「はーい」


「なぁ、プレイヤー」

「なんです?」


「僕、嫌な予感がするんだけど?」

「気のせいですって」


「それならいいんだけど」

「そうかなぁ」


「「報告。現在、横に居る竜人との関係が中立となりました」」


「「警告、水龍の接近を確認」」


「な? 言ったでしょ?」

「気のせいです」


「「詳細を表示


 水龍(T?+64)

 水+&風&光&危属性。

 

 HP測定不能。


 スキル「遠隔操作無効」

 スキル「状態異常無効」

 スキル「空間状態無効」 

 スキル「加算無効」

 スキル「減算無効」

 スキル「乗算無効」

 スキル「徐算無効」

 スキル「拘束無効」

 スキル「テイム無効」

 スキル「固定ダメージ無効」

 スキル「回復無効エリア」

 スキル「暴風雨」

 スキル「酸」

 スキル「閼伽(T?+)」

 以上です」」

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