一章 貴方…………もうすぐ死ぬわ①
「朔……だよな? その
周囲を見回すと、緑の
オレ、車に
「あら、壱星。
オレの呼びかけに、朔は
「おそらくここは『
何が何だかわからないままその手をつかんで立ち上がり、朔に
オレンジの三角屋根に白い
「ようこそ、アスラグ世界へ」
……アスラグ?
「ってさっぱり意味不明なんだが!? オレたち交通事故に
話しながら、ふと一つの可能性を思いつく。
「この状況、もしかして、アニメやラノベでよく見るアレ……『異世界転生』ってやつ?」
そんなまさか、と信じられない気持ちだったけど、「そうよ」と力強く
「そして異世界は異世界でも、ここは私が前世で
『アスタリスク・ラグナロク』……?
……あー、そういえば、中二の時、朔がノートに小説みたいなの書いてたけど、あれがそんなタイトルだった気がする。
主人公の名前が『朔』で、なんかカタカナのミドルネームやファミリーネームがついてて、運命の
「
「ああ、あのまま読んでたら
「あれから何度
「そりゃ肉親の書いたガチ
「この丘もルクシアの町も、私が思い
「出た、カタカナネーミング! そしてオレも登場キャラだったの!?」
知らん間に黒歴史に巻き込まれていたとは……。
「オレの見た目も変わってるわけ?」
「ええ、顔や体格はそのままだけど、私と同じ銀髪碧眼にね」
マジか……そのうち髪染めてみたいとは思ってたけど、いきなり銀髪はハードルが高い──ってとぼけてる場合じゃなくて。
つまり、なんだ? 何かの
厨二の姉が創作した、姉が主役の厨二物語世界……ってことか!!??
「……………………しんどい」
「急な事態に混乱するのもわかるけど、これは
「……………………いや無理」
「
「いきなり事故で死んだらしいとか異世界転生とかいうだけでもショックでかいのに、こんなん受け止めきれねーよ! 完全にキャパオーバー!」
「
やけに頼もしく言い切る朔。いや、おまえこそこの状況に
もう少し
「──あっ、なんだこれ、手に何か
ふと、自分の右手の
石自体はすごく
「それは『
そこで、朔がハッとしたように右手を耳に
なんだ? とオレも耳を
「その件はまた、順を追って話すわ。今はこっち」
そう言うと、いつになく
あーもう、何が何だかわかんないけど、追いかけるしかないか!
「アスラグの物語は、ミッドナイト
走りながら、朔があらすじを話し出す。
あの
「この世界でも、オレと朔は双子……?」
「
なるほど、さっきの鳴き声はペガサスのもので、もうシナリオが始まってるってわけか──って一応筋は通ってるけど、気持ち的には全然ついていけない。
なんだよ、朔の作った世界に転生って! ありえん!
これは夢だ、夢を見てるに
えー、オレ、本当に異世界転生したの?
……しかし、五十メートルを十秒で走る運動
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