プロローグ 還って……きたのね……!
「
オレが
「……聞こえる……運命の
「目覚ましは三十分前から鳴りっぱなしだ! あと五分したら家を出るからな」
目の前に時計をつきつけると、
「四十秒で
「待て、
「装備
新雪のような白い
我が
「ハッ、左手の包帯がほどけかかってる……!?」
「巻き直してる
「
残念なことに、コテコテの
念のため補足しておくと、厨二病とはアニメやゲームなどのフィクションの世界に
自分は過去に世界を救った月の
そしてオレ、最上
生まれた時から
「壱星、いいわ。待たせたわね」
リビングダイニングで飲みかけだったコーヒーに口をつけていると、ほどなくして、水洗顔と高速
ちなみに包帯はマスキングテープで仮留めしたようだ。マステなら抑えられるのか、魔王。
「いつもながら準備早いな」
「戦場ではコンマ一秒の
何が戦場だ、ギリギリまで寝ていたいという欲望が生み出したスキルだろ。
もたもたされるよりは
「お
「ひょーはい(
オレが
「朔、もう出るぞー」
「今行く……!」
ドタバタと階段を下りてきた朔は、
『ギャグ
「星の導きで今日の運勢が最悪だと
そういえば、さっきテレビで『おはよう
全然気にしてなかったけど、どうやらオレたちの双子座が最下位で、ラッキーアイテムが『愛読書』だったらしい。朔って、星占いめっちゃ好きだし、気にするんだよな……。
断るのも
二人とも外に出ると、ドアに
車庫の奥から出したそれぞれの自転車にまたがって、よし行くぞ、とペダルに足を
「私のブラックドラゴン……
朔は自転車のことをブラックドラゴンだと
「パンクしてるのか!? でも今からバスじゃ間に合わないし……仕方ない、乗れ!」
二人乗り、ほんとはダメなことは知ってるけど、背に腹は
さすがに高校入学初日から
後ろの荷台に朔を座らせて、全力で自転車を
「『おはよう星占い』も……
「壱星、もう息が上がってるの?
「ここで降りるか、朔……?」
学ランの下のシャツがじんわりと
晴天に満開のピンクが
不意に、ビュウッと強い風が
「
オレの
「
「桜だけどな」
この
そんな朔みたいな妄想をうっかりしてしまいそうなほど
交通量は少なめだけど、車道の
何より遅刻するかどうかの
前の信号は青。よし、このままスピードを落とさず
目の前にひょいっと
「……!?」
「……
車体ごと勢いよく
キキーッとタイヤの
しまった、車道側に……!
ドン、と大きな
〇 〇 〇
次に意識が
服装もセーラー服じゃなくて、クラシックな
腰には
ん? コスプレ? どういう
まるで無実の罪で何十年も閉じ込められていた
朔は興奮に頬を染めながら、
「
……??????
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