合コンすたーと

放課後、駅近くのチェーンカラオケ店で合コンをするようなので俺と河野、佐田での3人でその他の男子と港の到着するのを待っていた。正直、俺は合コンなどの雰囲気が大苦手なので今にも帰りたいという気持ちを抑え近々に冷えたアイスコーヒーを飲んでいたら古びたドアの「キィー」という音が聞こえてきた。どうやら誰かが来たようだ。

「す、すみません姉の代理で来ました...」

そこには港とは違い可愛い系ではあるが港に少し似ている、だが雰囲気は外交な印象を持たせる美少女がいた。というか最低なのかもしれないが、港姉より胸が豊かだった。

そして、俺はこの顔に見覚えがあった。俺のかつての親友に似ていたのだ。俺を一時家族、友達という呪縛から解放してくれたそして俺のせいで「青春」に殺された最愛の親友に似ていたのだ。俺の挙動不審な態度に気がついたのか、港の妹は不安そうな表情を浮かべていた。当たり前だ。姉の合コンに代理でいって俺のような良くわからない男に凝視されたのだ。これは悪いことをしたな、と反省してると河野が呼んだであろう男子達も港妹に続いて来たようだった。

「それじゃー!合コンはじめよー!」

と河野の愉快そうな軽快な掛け声で合コンが幕を空けるのだった。

当たり前ではあるが、テレビに出てくる女優のように可愛い港妹は俺以外の男子3人から質問責めにあっていた。

「タイプは?」

「彼氏居たことあるのー?」

「なにフェチ?」

「今までの彼氏どんな人だったのー?」

等々男達は気持ち悪い質問をすることに命をかけているのか素人目からみてもすごいとわかるきもい単語に関するボキャブラリー量で港妹に詰め寄っていた。流石に親友と良く似ている少女が泣く姿は見たくないので俺は少し助け舟を出すことにした。

「港さんだっけ?まだ、ここ来てから飲み物飲めてないよな?ほら」

といい俺は港を一番端の席に誘導させた。こうすれば少なくとも港妹が合コンの中で気分が良くなった男達に物理的にセクハラされることはないだろう。

「お前もしかしなくともバカか?」

と俺は港を妹にしか聞こえないくらいの声量でそう呟いた。

「ば、バカとはなんですか」

と港妹は反論してくるが男慣れしていない港妹が合コンに代わりに出るなんて悪手としか思えない。

「まあ、いい。俺が上手く丸め込むからその隙帰っとけ」

「そ、そういう訳にはいきません」

と港妹は大きな瞳に小粒の涙を浮かべそう呟いた。

「そういう訳にはいくんだよ。まあ、とにかく荷物だけはまとめとけ」

俺は淡い笑みを浮かべスッと目をつぶった。目をつぶれば親友を笑顔が今でも鮮明によみがえってくる。

親友は俺を正してくれた。親友に怒ってくれた。親友は笑ってくれた。

彼女は過去に妹が2人いると言っていた。妹を愛していると目に入れても痛くないと。そして、名前、年齢、等からみて確定で彼女は親友の妹だろう。俺は親友である彼のこの世に残した愛を守るためなら死をも躊躇しないとあの夜誓ったのだ。

俺はふうーとため息をつき港妹の方を向いた。

「おい!俺港が来るっているからここに参加したんだけど!!!」

と俺が怒鳴ると部屋のくうきが固まったのがわかった。

「ど、どうしたのですか?」

と俺は港妹を助けるため行動に移るのだった。

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青春なんていらないと思ってました 天草 仙 @kamuidyo

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