25話目

「雨だ」

「雨だな。傘は?」

「折り畳みが……やっぱ忘れた」

「おい」

「だってほら。相合傘した──」

「いれねーぞ。んなもん歩きにくいだけだろ」

「えー」

「えー、じゃねぇ」

「本当にダメ?」

「……」

溜息の後、傘に私を招き入れた彼は傘を傾けてくれる。

何だかんだと彼は私に甘いのだ。

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