ロイヤルティプログラムについての調査と見解

キザなRye

2021年10月付

ロイヤルティプログラムについての調査と見解

2019年4月1日付けで『ロイヤルティプログラム』を実施することが発表され、同年10月29日より開始された。当初の発表では作品に広告を付けて得る収益、読者が“投げ銭”をする形での収益が挙げられていたが現時点(2021年9月末)では広告収益のみの実装になっている。広告で得た収益の7割をユーザー側に渡し、残りの3割をカクヨム側が受け取り今後に使うという形で『ロイヤルティプログラム』は運営されている。1ヶ月で得たPVや文字数などを元に翌月の頭にアドスコアが確定し、翌々月の末にリワードが算出される。このリワードの値が円とイコールになっている。リワードは12ヶ月で消滅し、最低換金値は3000円となっている。


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プログラムの開始からおよそ2年が経過した。未だ換金できるに到底及ばない私は少数派なのだろうか、何を工夫すると換金に至るのかを調べてみた。



カクヨム側が1周年に際して掲載した記事(*1)によるとプログラムへの参加者は23,182人で1年間で付与したリワードは累計で5,000万以上、中には合計で100万以上獲得した方もいるという。また500名以上の方が換金されたそう。(換金出来た人は参加者の2%程度)収益を得られたユーザー一人あたりの投稿数は4~6作品で1ヶ月に更新するエピソードは4~11話だそう。

1つの作品が爆発的なヒットを起こした人が収益を得られているという傾向だと考えられる。



自主企画にてロイヤルティプログラム及びカクヨムでの活動について質問をしてみた。今回、5人の方に回答を戴いた。これらの回答を元に考察するが、無作為に抽出したというわけではないので全ユーザーにおける収益を得ている人の割合は求められないことを念頭に置くものとする。またまとめる際に表現方法等を独自に改変しており、本来の意図とは異なった捉え方をされてしまうおそれがあります。御了承ください。




調査した5人のうち4人に換金の経験がある。5人とも毎日更新や話数を分けるよりも1話の文字数を増やすといった工夫または特徴がある。積極的に自主企画へ参加するといった工夫をしている人もいた。まずは多くの読者の目に作品が届くようにすることが大事であると分かる。


PVについてはとても面白い結果が得られている。1日平均が20PV程度の方が換金できており、100PV程度の方が出来ていない。PVだけがアドスコアに直接繋がるというわけではないことの証明になっている。複雑に色々な要素が混ざってアドスコアという形になっているのは明白だ。


ここで思うこととして毎日投稿にこだわって文字数が下がることはむしろ逆効果に成り得るのではないかということだ。これは経験論だが、1話が1,000字程度のエピソードは2~5PVでようやくアドスコアが1得られる程度になり、1話が2,000字程度だとPVとアドスコアが1:1くらいになる。ここから文字数が少なくなるとよりPVを稼がないと意味がないのではないかということだ。1PVを大事にするためには読みにくくない程度に文字数を増やすのも1つの手ではないだろうか。


カクヨムで“カク”だけの人もいれば“ヨム”もする人もいるが、これが換金と直接的には関わっていないようだ。もちろん、読んで感想やレビューを書くことは自分自身の存在をアピールする絶好の機会になっていることは間違いない。それでも面白いと思わせられる作品があるかどうかで読まれるか等も変わってくるので一概に読むべきとも言えない。自分のペースを上手く作れると良いのかもしれない。


また宣伝をする、近況ノートを使うことは換金するために絶対必要なことでもなんでもなく、売名の1種である。これは読むことと同様に自分ペースで出来ると良いのかもしれない。


創作する意欲は“書くことの楽しさ”が圧倒的だ。今後書くことを続けていくことも考えて自分が楽しいと思えるものを、自分の世界観をちゃんと作ることは大事だと思う。他には読者からの評価や感想をもらうこと、“面白かった”とか“続きが気になる”とかプラスの言葉を掛けられると創作意欲はもちろん上がる。一生懸命作者さんが作ったわけだからくれぐれもネガティブな言葉で埋め尽くされてほしくないと個人的には思う。



今回調査した5人の中の1人が興味深い実験をされていたので軽く纏めておく。


・更新頻度を隔日から毎日に変更したところ、アドスコアは3倍の伸び

・1日で時間を変えて投稿したが、さほど効果はない


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今回の調査を経てPVを増やすこと及び1PVを大切にすることの2点が重要視すべき事柄だと考えられる。



PVを増やすことについては多くの評価が得られるような面白い作品を書き続けること、評価が増えればランキングに載りさらにPVを稼ぐことができる。また適度に宣伝や近況ノートを使う、他の人の作品を読みにいくなどをすることで読者を引き寄せることも大事だと思う。定期的にエピソードの更新をすること(例.毎週月曜日19時)を意識すると集客に有効かもしれない。



1PVを大切にすることについては更新頻度のために文字数を減らさないこと、これに限る。他にも要因はあるとは思うが1番手っ取り早くて簡単な方法はこれくらいだろう。




これを読んでくださっている方がより良いカクヨムライフを過ごせることを祈って今回のロイヤルティプログラムについての考察を終わりとする。




◎参考資料

*1 ロイヤルティプログラム1周年の際に掲載された記事

(https://kakuyomu.jp/info/entry/klp_1st_anniversary )

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