第3話 障害があろうとも

 二人は図書館の広いテーブルで公募に応募する予定の短編小説を執筆している。図書館にはあまり音が少ない。なので、西谷大地と塩田恵のペンの音や辞典をめくるページの音等が、静かな図書館に響く。

 目標のために大地は頑張る。公募に応募する予定の短編小説を自分で考えて執筆する。恵も執筆を頑張る。先に西谷大地が執筆の手を止める。両目を閉じて首を左右にゆっくりと振る。塩田恵は続けて執筆を。やはり大地は統合失調症当事者になってからというもの、集中力が多少の低下がある。幻聴の声を聞いていたり、お薬の副作用で眠くなったりと、集中力が落ちてしまうことは当事者の意思とは関係ない。集中力が低下してしまうことは、当事者の数だけ様々だ。

 ここで、塩田恵も執筆の手を止める。二人は静かに会話をしている。クスクスとする西谷大地と塩田恵。

 障害があろうとも、西谷大地も努力する。

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