第9話 風

鎌鼬するうするう血が垂れる

虎落笛びゅるうびゅるう歌痛い

隙間にそろりするりむわり冬の匂いつけて

風がやってくる

寒いなと閉めて風が窓揺らすガタンシャン

びゅるうびゅるうするうするう

血が垂れる

痛いうたいたい風が吹く

尖らせた唇に荒んだ風がすういすうい

頬の撫でた軟風が段々とゆっくり

和らいで

明日になる

風の吹き続ける明日と明後日と数年越しても

この街は風が吹く

ぬらり、赤い血がするり垂れて

風が落ちることなく風鳥と共に

永遠に 永遠に

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