第18話 路地裏の店で(お題 絵「『おちるまえに』」より)

店の窓には美しい少女人形。


見事だ、と店主に言うと

彼は渋い顔で隣の姫達磨を指した。

聞けば達磨が成長したという。


芯材の椿が曰く付きで、髪が伸び花をつけたのだと。


ご冗談を、と受け流しつつ見れば

髪を梳く無数の白い手。溜息をつき愛でながら。


私は悲鳴を上げて店を飛び出した。

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ありふれた景色に限られたモノがいる 巳上益実 @masumi-mikami

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