第12話 渋滞(お題「山道のトンネル」より)

手を叩くと鈍い音がした。

音が抜けるかどうかも、奥行を知る方法だ。

僕が怖がりながら歩き出すと、茜が拳ほどの鈴を鳴らして先を進む。早い。

どうしたかと慌ててついていくと、5分も掛からずにそこを出た。

偶に詰まるのよね

茜が指した先には、同じ鈴が風も無いのに弾むように揺れていた。

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