私はガムを食べ終えない。

@anomaron

0粒目

「君は味のしなくなったガムどうする?」

高校1年の春、初めましての彼女は、教室で僕にガムを差し出しながらこう言った。

「捨てると思う。」そう言って僕は彼女からガムを受け取った。

「なんで?」

彼女は不思議そうに質問してきたが僕はあえて答えず

「ガムくれたのはありがとう、だけど君は誰?高校の始業式でいきなり初めましての人にガムについて聞く?」と質問し返した。

そう、この時から僕は不思議だったのだ。なぜ彼女がいきなり見ず知らずの人間にガムの話をしてきたのか。一体なぜ僕なのか。だけど彼女は教えてくれなかった。ただ一言

「私は最低でも1時間は食べるよ。ガム」

と言って他のところへ行ってしまった。

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