第8話 目覚めのキス

「うぅ…ん」


 朝か…もう少し寝たい。あれ?俺って昨夜何してたんだっけ?えっと…あっ…。蒼哉と…行為を…。…思い出しただけで顔が熱くなるのが分かった。というか俺、全裸なんですけど…。蒼哉の前で全裸で寝るとか…いや、アレを触られた俺が言えたことじゃないか。あ、隣に蒼哉居た。可愛い寝顔だ…。


 …キスしちゃ、ダメかな?俺はそっと蒼哉に顔を近づける。もう少しで、届きそうだ。俺は目を瞑り、唇との距離を縮めていく。


 そして。


「ん…」


 俺はファーストキスを蒼哉にすることが出来た。俺は名残惜しかったが、顔を離した。…この時、蒼哉が起きていることも知らずに。


「…けいちゃん。これ目覚めのキス?」


「んぁ!?」


 え、嘘、起きてた…?ヤバい…バレた…。


「全裸でアタックしに来るとは、中々度胸あるじゃん」


 蒼哉が笑いながらそう言う。俺は視線を逸らし、顔を赤くすることしか出来なかった。


「けいちゃん、ソレ、朝から元気だねぇ」


「…~っ///」


 俺はアレを起立させたまま、目を瞑るしかなかった。




 俺達はまたベッドの中に潜って、横になっていた。


「けいちゃん」


 蒼哉がいきなり俺を呼んだ。


「ん?」


「なんでさっきキスしてきたの?」


 うっ…。言えるわけが無い、俺は蒼哉のことが好きだなんて。そしてこのキスが、俺のファーストキスだなんてことも。


「あ、あれだよ。目覚めのキス」


「あ、やっぱり?」


 何とか誤魔化せた…。


「てっきり俺のこと好きなのかと思った~」


 図星、これまで以上にない程の図星。蒼哉は俺の心を読めるのか…?


「い、いやまぁ…ははは」


「でも俺はけいちゃんのこと、好きなんだけどなぁ」


「…え?」


「ははっ。けいちゃん、すぐ驚いちゃうの、本当に可愛い。俺はそういう所好きなの」


 と言って、蒼哉が俺に抱き着いてくる。一生このままでいたい…。


「そ、蒼哉」


「なに?…っ!」


「んっ…! 」


 俺は蒼哉を俺の顔の前まで持ってきて、またキスをした。そして、俺は蒼哉に抱き着き返した。


「蒼哉ぁ…」


「けいちゃん…」


 俺達は2人、抱き合ったまま、また深い眠りにつくのだった。

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