あなたの声

影津

あなたの声

 蒼い炎に氷をくべて


 溶けもしないで泣いていないで


 汗ばむ足裏ですり歩き


 あなたの髪が糸を引く


 振り払ってゴミ箱へゴミ箱へ


 あなたの声にぼくはナキタイ


 

 くろがねの夜に血潮投げて


 砕けもしないで痛みもなくて


 指の間に刃物を混ぜ


 布で包んでゴミ箱へゴミ箱へ


 あなたの声でぼくはナキタイ



 だから白銅はくどういろが明ける


 雲が追い越してめまいして


 ぼくの手首に雨音を流して


 彼岸花を捨てに駆け


 ゴミ箱がないゴミ箱がない……


 ああ、あなたの声とぼくはイキタイ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

あなたの声 影津 @getawake

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ